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異説が冴えてきた:逆説の日本史2 [歴史]

逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館文庫)

逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館文庫)

  • 作者: 井沢 元彦
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: 文庫
ずいぶん前に出版された逆説の日本史を図書館で借りて徐々に読んでいる。
著者本人も本書は異説・奇説の類に属することを認めており、日本史の通説・有力説とは一線を画した論が展開されている。そのため、この本の内容を人に語るのは難しいが、このようなものの見方もあるという点では斬新で楽しめる一冊となっている。
 
この第二巻でメインとして取り上げられているのは聖徳太子・天智天皇・天武天皇・聖武天皇の4名。
このうち、聖徳太子はなぜ「聖徳太子」と呼ばれるかについて著者独特の論理(怨霊信仰との結びつき)が語られていて面白い。メジャーな説ではないがなぜか納得させられる不思議な感覚を味わうことが出来る。
 
天智・天武の時代については、男系の断絶が合ったのではないかという、主張することに勇気がいるような論を披露している。ただ、この章については異説の面白さよりも、井沢元彦の語りを通じて天智・天武の思考および人間性が明らかに感じられるところに面白さがある。
当時の人の常識を知ると共に、為政者も人間なんだということははっきり感じ取ることが出来て歴史に親しみを持つことが出来た。
 
聖武の時代については、有名な話に基づく推論が多く、ここだけは一般的で余り目新しさを感じることが出来なかったのが残念である。
 
この本のよさは学説の目新しさから、こんな見方も出来るんだという新しい感覚を味わうことが出来ることと、歴史上の登場人物の思考がはっきり語られていることによる人間性を身近に感じ取ることが出来ることである。もちろん、人間性の部分には、井沢元彦の解釈は入っているのだが。
第三巻も楽しみである。
 
☆☆☆(☆三つ)

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