民俗学&ミステリー:触身仏 [小説]
蓮丈那智シリーズの第二巻。今回も民俗学をベースにミステリの味付けで話が進む。前作の凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉 (新潮文庫) 同様の短編集で、前作を楽しめた人には自信を持って薦められる作品である。
まず、私はこの本に書かれている民俗学の描写の真偽、リアリティは判断できないことを断っておく。
その前提で見ても、この本の民俗学の考える手法・大学のあり方については十分にリアリティを感じることの出来る作品となっている。
ミステリのほうは、良くも悪くも中の上の出来。驚くほどのトリックや意外性にはめぐり合うことが出来ないのだが、それでも平均的に楽しめる良作ぞろいだと思う。
主人公がスーパーマンに属するタイプのミステリだが、まったく非現実的とまではいかず、小説として受け入れられるぎりぎりの線でリアリティが保たれている。
今回の中で私が一番いいと思ったのは「秘供養」。これは被害者が魅力あふれて書かれているために、一番印象に残る作品である。
民俗学に興味のある人はもちろん、純粋にミステリとしても安心して楽しむことの出来るいいシリーズである。
主人公がスーパーマンに属するタイプのミステリだが、まったく非現実的とまではいかず、小説として受け入れられるぎりぎりの線でリアリティが保たれている。
今回の中で私が一番いいと思ったのは「秘供養」。これは被害者が魅力あふれて書かれているために、一番印象に残る作品である。
民俗学に興味のある人はもちろん、純粋にミステリとしても安心して楽しむことの出来るいいシリーズである。
☆☆☆★(☆三つ半)
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