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劇毒注意:闇の子供たち [小説]


闇の子供たち (幻冬舎文庫)

闇の子供たち (幻冬舎文庫)

  • 作者: 梁 石日
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2004/04
  • メディア: 文庫



タイを舞台にした、子供たちの人身売買、臓器売買、売春を描いた小説。読後に気分が非常に重たくなることは間違いない。劇毒なので、気分が優れない時や、月曜日の朝一などにはオススメできないが、耐性がある人はぜひチャレンジしてほしい作品である

タイを舞台にした、売春・エイズを描いた作品としては、馳星周の「マンゴー・レイン」があるが、こちらは子供たちが人身売買組織に売られ、エイズにかかったり、過酷な売春を強要されたり、臓器売買のドナーとされたりする小説で一片の救いも無い。

この救いの無さがこの小説における最大の持ち味であり、悪の圧倒的な力の前に正義など軽く吹き飛ぶ様が生々しく描かれている。
正義の側に身を置くヒロインも最大限の努力はするが、結局誰も救うことが出来ずに終わってしまう。
この小説の読後には、回りを不幸にしても現状の改善に努めるべきか、それとも、人のことは関係ないと身を引くのか、どちらが当事者たちにとって幸せになるかを考えてしまう。

ストーリー自体は特に目新しい発見があったり、感情移入をしたりすることは少ないので、救いのない劇毒小説が好みかどうかで薦められるかどうかがはっきりする。
精神的ダメージ耐性に自身のある方は挑戦してみてはどうだろうか?

☆☆☆(☆三つ)


マンゴー・レイン (角川文庫)

マンゴー・レイン (角川文庫)

  • 作者: 馳 星周
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 文庫



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