SSブログ

知識に裏打ちされた現代的ミステリ:チーム・バチスタの栄光 [小説]


チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/11/10
  • メディア: 文庫



チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/11/10
  • メディア: 文庫


映画化が決定され、話題となっているミステリ。受賞時「このミス」最大の傑作といわれた評価も当然であると納得することの出来る作品となっている。
この作品は、現代的ミステリの例に漏れず、それぞれのキャラクターが個性的で生き生きと描かれている。
主人公でワトソン役の「愚痴外来」田口講師は並みのミステリならホームズ役も務まるほどの知性を持っている。しかし、もう一人の主人公でホームズ役「ロジカル・モンスター」白鳥技官のキャラクターを見れば納得が行くことのできる配役となっている。

そのほかにも老獪でありながら清廉な高科院長、隠然たる影響力を持つ藤原看護師、チーム・バチスタをまとめる天才外科桐生。その他のチョイ役までじっくりと語ることの出来るようなキャラクター設定がされており、本筋のみならず、作中で語られるちょっとしたエピソードにも引き込まれてしまう。

また、この本が本当にすごいのは医学の知識のみならず、そこから来る自分の主張をも不自然にならない形でうまく盛り込んでいるところ。
永井するみの枯れ蔵や牛島信の株主代表訴訟 (幻冬舎文庫)等作者の知識を生かした小説は多いが、知識と主張を小説という形にここまでうまく融合させた小説は数少ない。

医学用語が多めに出てくることが気にならないなら、ぜひ読んでみてほしい。
引き込まれて一気に読了してしまうだろう。

☆☆☆☆★(☆四つ半)


ネタバレになるので、詳しくは書けなかったが、筆者の主張は以下の本に詳しい。
この本を読んで、謎解明のシーンに社会的・科学的な興味を持ったら以下の本を。


死因不明社会 (ブルーバックス 1578)

死因不明社会 (ブルーバックス 1578)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/11/21
  • メディア: 新書



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(3) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 3

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。