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私の選ぶミステリベスト10 [まとめ]

「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」のDainさんがミステリベスト20というエントリを挙げておられたので、乗っからせてもらって私のベスト10を挙げてみる。
私は海外のミステリは余り読まないので国内限定になるため、ベスト10としました。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2008/03/20_bea3.html


第一位:京極夏彦 魍魎の匣


魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)

私の第一位は京極夏彦。謎を解くことに主眼を置いてもよし、個性的な登場人物を楽しむもよし、時代背景および妖怪の知識を楽しむも良しと、いろいろな楽しみ方が出来るのが京極作品の真髄だと思っている。
京極作品の中では、ストーリーが一押しの「絡新婦の理」か本作かで悩むが、ホラー的な怖さが一番良く出ている本作を一位に挙げたい。




第二位:高村薫 レディ・ジョーカー


レディ・ジョーカー〈上〉


レディ・ジョーカー〈下〉

Dainさんのブログのほうでは高村薫には触れられていないが、実際の事件をネタにした小説なら本作がピカイチ。確かに宮部みゆき「理由」や桐野夏生「残虐記 」など、実際の事件を下敷きにしたと思われる小説は多いが、本書が社会性・登場人物の気質とも一番うまく描けていると感じられる。もしかしたらモチーフになった事件のインパクトが一番大きいだけかもしれないが・・・
ちなみに、高村薫の純粋な創作なら「黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)」がオススメ。




第三位:貫井徳郎 慟哭


慟哭 (創元推理文庫)

Dainさんがこの作品を評価していないエントリだったかコメントだったかを挙げられているのは読んでいる。それでも私は「ハサミ男 」よりはこちらのほうが読後の衝撃が大きくて好み。
貫井作品では「愚行録」と一二を争う衝撃と面白さが味わえる。




第四位:東野圭吾 殺人の門


殺人の門 (角川文庫)

東野作品ではどちらかというと異色のストーリーだと思う。全体としての絶望感・やりきれなさが漂い独特の味があるので、ちょっと変わった雰囲気を求めてチャレンジするのはありだと思う。
ちょっと作ったようにお馬鹿な主人公が苦手になる人も多いとは思うが・・・




第五位:森博嗣 すべてがFになる


すべてがFになる (講談社ノベルス)

直木賞には決してエントリされることがないであろう人気作家の作品。
くせがあるため、合う・合わないがくっきりと出る作家だと思う。
それでも謎の作り方は京極夏彦に通じるところがあり、味わい深い。ライトノベルと紙一重の登場人物が苦にならない人にはオススメできる。




第六位:横山秀夫 震度0


震度0

この作者は映画化された「半落ち」が有名だけど、私の一押しはこちら。キャリアとノンキャリアの対立を描いた作品で、踊る大捜査線のように単純ではない人間関係が描かれている。エンドもハッピーエンドに近いのがぐっと来る。
ちなみに、Dainさんも触れておられるように直木賞選考等で「半落ち」に厳しい批判があったのは事実。私もこれは不当に落とされていると思う。佐々木譲「警官の血 」は一定の評価を得ているので、直木賞的にはこちらなのでしょうが、私は両方とも違った味で面白いと感じたため、横山氏への批判には首を傾げてしまう。




第七位:雫井脩介 火の粉


火の粉 (幻冬舎文庫)

映画化された「犯人に告ぐ」が有名な作者だが、オススメはこちら。味方であるはずの人が敵に取り込まれていく様がしっかりと描かれており、真綿でジワジワ来るような怖さが味わえる。




第八位:海堂尊 チーム・バチスタの栄光

http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-08
上のエントリでも書いたが、職業物としてはすばらしい出来。
そこそこの謎とキャラクターの持ち味で見せる作品。伊坂幸太郎とか奥田英朗と通じるものがある路線だと思う。




第九位:松井今朝子 非道、行ずべからず


非道、行ずべからず (集英社文庫)

歴史小説好きとしては、歴史物も入れてみたくなる。
歴史小説におけるミステリならこれが一番小説としての完成度が高いと思う。
歴史ミステリというと「信長の棺」のように歴史上の謎を挙げたものが浮かぶが、本作は死体から始まるミステリなのもポイント。




第十位:乾くるみ イニシエーション・ラブ


イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)

ミステリかどうかは非常に悩むが、ミステリ好きなら読んで損はしないという観点からランクイン。ネタバレに非常に弱いので事前知識無しで読むべし。多くは語れないのがつらい。




自分でもこうしてみると社会派がすきなのが出ている気がします。
ベスト10に絞ると、宮部みゆき、大沢在昌、伊坂幸太郎、舞城王太郎、真保裕一、桐野夏生等入れたくても入れられない作家が多いことに愕然とします。

本題に戻って、Dainさんにオススメできるのはこの中だと「震度0」「火の粉」あたりかな。
「魍魎の匣」「レディ・ジョーカー」「殺人の門」は既読の可能性が高そうです(未読ならもちろんオススメ)し、「イニシエーションラブ」「すべてがFになる」あたりはおなかいっぱいの部類でしょう。
過去のエントリでは歴史物も余りヒットしそうにないですし・・・

逆にDainさんのエントリで気になったのは「火車 」と「屍鬼」特に宮部みゆきは面白そうと思いつつもなぜかスルーしてしまう作家なんですよね。



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