SSブログ

予備知識がないとつらい:エンド・ゲーム [小説]


エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)

エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 単行本



またしてもやってしまった……。
シリーズ物の途中から読み進めてしまいました。
図書館で初見の本を借りると、こうしたリスクがけっこうあるんだよな。

本書はホラー仕立ての小説。
異能力を持った母子が中心となってストーリーが進む。
ストーリー自体は異能力に悩んでいた母子が、自分の中の葛藤と戦いながら、精神的に一皮向ける話なので、大筋は本書から入っても理解できる。

ただ、本書から入ってしまうと、世界の設定がつかみにくいので、序盤が退屈になるのと、ラストシーンがいまいち分かり難くなると言う欠点がある。
新しく挑戦する人は、素直に「光の帝国―常野物語」から入ったほうがいいだろう。
本書から入った私は、おそらく面白さの半分も理解できていないはずだ。


ここから先は本のストーリーと関係ないのだけど、シリーズ物の単行本にはそれとわかるようにしてほしい。本書も「常野物語Ⅲ」とサブタイトルに数字を入れるだけで、間違いは少なくなるはずなのに。
本屋では品切れ等が無く、シリーズ物は並べて展示されるため、間違いは少ないだろうけど、図書館だと前後の本が借りられていてシリーズと分からないこともある。特に、単行本は背表紙に既刊が余り示されないので順番をつかみにくい。

出版不況で既存の読者以外は単行本を買うことが少ないので、あえて紛らわしくても対処しないのかもしれないが、少ないながらも、シリーズの途中から読み始めようとするそそっかしい人はいるはずだ。そうした興味を持ってくれた見込み客に、正しい順番を示して作者の魅力を最大限に提示するのは、編集者としての業務の一環であるはずなのだが、なぜか対処される気配がないのが残念だ。

☆★(☆ひとつ半)




他のブログの反応はこちら等。
シリーズの読者には反応が悪くないようです。でも、私と同じように、本書から始めて読んでしまったと言う感想も一定数あったので、出版社・編集者はそのあたりを対策してほしいと思う。
http://mcity.cc/index.php?itemid=502
http://mybookreview.seesaa.net/article/95256436.html
http://chachanikki.at.webry.info/200804/article_25.html



カスタム検索

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。