予備知識がないとつらい:エンド・ゲーム [小説]
またしてもやってしまった……。
シリーズ物の途中から読み進めてしまいました。
図書館で初見の本を借りると、こうしたリスクがけっこうあるんだよな。
本書はホラー仕立ての小説。
異能力を持った母子が中心となってストーリーが進む。
ストーリー自体は異能力に悩んでいた母子が、自分の中の葛藤と戦いながら、精神的に一皮向ける話なので、大筋は本書から入っても理解できる。
ただ、本書から入ってしまうと、世界の設定がつかみにくいので、序盤が退屈になるのと、ラストシーンがいまいち分かり難くなると言う欠点がある。
新しく挑戦する人は、素直に「光の帝国―常野物語」から入ったほうがいいだろう。
本書から入った私は、おそらく面白さの半分も理解できていないはずだ。
ここから先は本のストーリーと関係ないのだけど、シリーズ物の単行本にはそれとわかるようにしてほしい。本書も「常野物語Ⅲ」とサブタイトルに数字を入れるだけで、間違いは少なくなるはずなのに。
本屋では品切れ等が無く、シリーズ物は並べて展示されるため、間違いは少ないだろうけど、図書館だと前後の本が借りられていてシリーズと分からないこともある。特に、単行本は背表紙に既刊が余り示されないので順番をつかみにくい。
出版不況で既存の読者以外は単行本を買うことが少ないので、あえて紛らわしくても対処しないのかもしれないが、少ないながらも、シリーズの途中から読み始めようとするそそっかしい人はいるはずだ。そうした興味を持ってくれた見込み客に、正しい順番を示して作者の魅力を最大限に提示するのは、編集者としての業務の一環であるはずなのだが、なぜか対処される気配がないのが残念だ。
☆★(☆ひとつ半)
他のブログの反応はこちら等。
シリーズの読者には反応が悪くないようです。でも、私と同じように、本書から始めて読んでしまったと言う感想も一定数あったので、出版社・編集者はそのあたりを対策してほしいと思う。
http://mcity.cc/index.php?itemid=502
http://mybookreview.seesaa.net/article/95256436.html
http://chachanikki.at.webry.info/200804/article_25.html
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