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安定した品質:灰色のピーターパン-池袋ウエストゲートパーク6 [小説]


灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉 (池袋ウエストゲートパーク (6))

灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉 (池袋ウエストゲートパーク (6))

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本



第1巻のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-17
第2巻のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-05-15
第3巻のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-04-16

池袋ウエストゲートパークの第6巻。
このシリーズは現代池袋を舞台にしている割には、時代による変化を受けにくい内容になっているので、どの本から読み始めても楽しめるのが特徴。
本書も、安定した品質で、大きな驚きは無いが、安心して楽しめる。

本シリーズの特徴は、池袋を舞台にした主人公なりの勧善懲悪ストーリーであると言うこと。言葉では、曖昧なことを書いているが、結構分かりやすいストーリーだし、それゆえに、安心して楽しむことが出来る。

本書も今までどおりの安定した出来で、シリーズの読者なら間違いなく楽しめる。

私が本書で一番好きだったのは、「池袋フェニックス計画」。たまたま何日か前に読んだ「狼花 新宿鮫IX」と同じ構図で、治安向上を目的とする警察が、手段を選ばずに特定のやくざと手を組むことによって、問題が発生すると言う構図。

本書と新宿鮫とでは語り口も、主人公のキャラクターも、町の情景も全然違うので、話としては似通っていないが、二つを並べて読んだことで、楽しさが倍増した。
鮫島の一本気なところもいいけど、ちゃらんぽらんでお人よしの真島誠も悪くないものだ。

表題作の「灰色のピーターパン」、「駅前無認可ガーデン」も平均をクリアしており、十分楽しめる。但し、個人的には「野獣とリユニオン」はありきたりすぎる上に、人の心の動きとして非常識なものを感じたので、余り面白く感じることは出来なかった。

いつもながらの短編集で、安定した出来を誇る。本シリーズの読者で、まだシリーズに飽きていない人にはオススメできる作品である。

☆☆☆(☆三つ)




他のブログの反応はこちら等。
短編集だと一番好きな話に触れているエントリが多いのですが、私の嫌いだった「野獣とリユニオン」は意外と評価が高く、一番人気かもしれません。一押しの「池袋フェニックス計画」は2~3番手。
人によって、好みが違うのですね。
http://blogs.yahoo.co.jp/akbit/38478379.html
http://blog.goo.ne.jp/rhodonite-garden/e/8474e252eab4bb32f6d1d8bcaacee674
http://kuronekotei.blog17.fc2.com/blog-entry-479.html
http://d.hatena.ne.jp/sittingrass/20080422/1208871126
http://hidebook.seesaa.net/article/79561731.html


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