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有名作家のヘボ将棋:棋翁戦てんまつ記 [将棋]


棋翁戦てんまつ記

棋翁戦てんまつ記

  • 作者: 逢坂 剛
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1995/03
  • メディア: 単行本



逢坂剛、船戸与一、清水辰夫、夢枕獏、黒川博行の有名作家が、素人将棋を指し、観戦記を書くという企画物エッセイ。文章はゲストで寄稿している大沢在昌、北方謙三、宮部みゆきを含めてさすがのおもしろさだが、将棋の腕はかなりヘボ。将棋クラブ24低級の私でも勝てそうな面々だ。

対戦者の将棋の腕は最初の一文からだいたい想像がつく。清水辰夫の観戦記を引用すると、
対局は逢坂の先手で始まった。彼はまず2筋の歩を交換、飛車の通りをよくしてから陣形の組み立てにかかった。一方の船戸は中飛車で相手の出方をうかがう。序盤戦はごくありふれた展開である。

将棋をかじったことのある人だったらこの一文に違和感を覚えるであろう。
なんで中飛車が無抵抗で居飛車に飛車先を交換されているの??

そのほかにもすごい盤面がいっぱい。
ここでその譜面を載せられないのがとても残念な位に独特だ。普通素人が将棋の文章を読むのは、プロ棋戦の観戦記や将棋の定跡書だから、だいたい図面にある形は立派な物が多い。
ところが、本書は素人将棋の観戦記だし、しかも多くの人が序盤はいい加減で終盤型の人だから譜面の理解には非常に苦しむ。
印刷された投了図で、玉がとられて相手の持ち駒に載っている図を見たときには、思わず吹き出してしまった。

そういうヘボ将棋を一流の文章で味付けしており、なかなかに味わい深い一冊になっている。
作家の内輪ネタが気にならない人で、将棋を知っている人なら間違いなく楽しめる。
将棋の腕前はプロと言うより、ニコニコ動画にアップロードされているファミコンのソフト並だけど。

☆☆☆(☆三つ)

ちなみに、私が本書に出てくる人の中で強いと思ったのは(番外編で登場した米長邦雄を除くと)黒川博行かな?どの人もいい勝負だけど。

他のBlogの反応を示そうと思ったけど、古い本だし、マイナーなので本書に言及したエントリが見あたりませんでした。将棋好きなら一度はネタで読んでみてもいいくらいにはおもしろいんだけどね。


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