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「チーム・バチスタ」-医療シーン=本書:夢見る黄金地球儀 [小説]


夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 単行本



チーム・バチスタの栄光」の筆者が、同じ桜宮市を舞台に描く、ミステリ・コメディ。
チーム・バチスタの栄光」シリーズから、社会派・医療部分を除いたミステリというのが本書のイメージに最も近い。

本書は2013年の桜宮市が舞台。ふるさと創生の1億円で作った黄金地球儀が現存しており、金価格の高騰で1億5千万円になっていると言う設定。
それを狙って、ガラスのジョーと呼ばれるフリーターと、町工場の営業部長平沼平介が黄金地球儀の強奪を狙うストーリー。
最後にはあっと驚くオチがついているのだが、それを語ると本書を読む楽しみが3割減になってしまうので、あえて語らないようにする。

本書は医療部分を全くカットしているため、「ナイチンゲールの沈黙」で見られたような、無理のあるストーリーにはなっていない。
エンタテイメントに徹した荒唐無稽のフィクションとして、読者に純粋な楽しみを与えてくれる。

本書に出てくる主要人物は、どれもキャラが立っていて、しかも魅力的だ。
加えて、「チーム・バチスタ」シリーズの主要な登場人物についても様々な形で言及されている。「ナイチンゲールの沈黙」で登場した、瑞人、小夜のコンビは主要な脇役として成長したその後の姿が描かれているし、最後の謎が明らかになるシーンでは白鳥と思われる人物のエピソードも披露されている。

本書は単純なエンタテイメントとして、十分に楽しめる良書になっている。
それとともに、作品の最後で大人になるって言うのはどういうことかをちょっとだけ考えさせられる。

☆☆☆☆(☆四つ)

本書を読んだ人、あるいはこれから読む人は併せて読みたいシリーズのエントリ。
海堂尊のデビュー作にして、医療ミステリの傑作「チーム・バチスタの栄光」のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-08
私は若干苦手だが、世間の評価は悪くない第2作「ナイチンゲールの沈黙」のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-10-04


他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://kongque.blog54.fc2.com/blog-entry-516.html
http://hibidoku.jugem.jp/?eid=435
http://blogs.dion.ne.jp/white_night/tb.cgi/7559529
http://blogs.yahoo.co.jp/chibacchi0415/34994012.html
(ネガティブな評価のエントリ)
http://hicee.blog82.fc2.com/blog-entry-1034.html
http://ameblo.jp/tsukiya112/entry-10151502999.html

「チーム・バチスタ」との比較でネガティブな評価も目立ちました。ポジティブな評価の中でも、一部苦言を呈しているエントリは多かったですし。
おそらく、「チーム・バチスタ」シリーズのリアリティをどのあたりまで認めるかによって評価が割れるのでしょう。私のように「チーム・バチスタ」シリーズに全然リアリティを感じられない人は、本書も同じフィクション度の高いエンタテイメントとして楽しめるのだと思います。







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