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こういう小説もありなのかな?:切羽へ [小説]


切羽へ

切羽へ

  • 作者: 井上 荒野
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本



離島の日常の中に男女の微妙な愛情を描いた本書。
井上荒野の直木賞受賞作であるが、馳星周が女性受けしないように、井上荒野は少なくとも男性受けしないだろう。

妻が本書を借りてきたので読んだのだが、やっぱりつらいというのが第一感。
恋愛小説自体も苦手だが、本書は離島を舞台として、日常の生活を描いているので、心情描写意外ではひたすら淡々とした日常が描かれるのだ。
読み終わる前から、何が言いたいのか、どこを楽しめばいいのかわからないのだ。

恋愛をテーマとして扱っていても、スリリングなシーンがあったり、ミステリとしておもしろければ、楽しめるのだが、本書はそれがない。
恋愛小説を楽しめる人なら、悪くないだろうとしか言えない内容だ。


本書の内容とは別に、なぜ私が恋愛小説を楽しめないかを考えてみた。
一つは、私の個人的な性格によるもので、他人の恋愛に興味がわかない。学生時代から、同級生やサークルの仲間の恋愛話を聞いても、自分には関係ないと思っていたタイプなので、こういった小説の面白みがわからないのだろう。

もう一つは、恋愛を特別なものだと思っていないからだろう。ネットでは恋愛至上主義に対しての議論が起こったりするが、恋愛至上主義を肯定する人も否定する人も恋愛を特別視している人は多いように見受けられる。
それはそれで好みの一つなのだろうが、私は誰にでもできるような恋愛を小説にしても特段おもしろいとは思えない。特別な人や物事を描くからこそ、小説はおもしろいと思っているので、誰にでもできる恋愛を小説化した本には惹かれないのだろう。

本書は、読んでいて苦痛と言うことはないし、読みやすい。文章も上品で非常に味わい深い。
恋愛小説が苦手じゃなければ、読んでみてもいいかもしれない作品。

☆☆☆(☆三つ)

参考エントリ
本作で直木賞を受賞する前に、候補になった「ベーコン」のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-07-26


他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://blog.goo.ne.jp/comecome-do/e/765037d56575ed7c8364a3883be7ac5d
http://plaza.rakuten.co.jp/ayasamasimon/diary/200810220000/
http://pumila.jugem.cc/?eid=1048
http://blog.livedoor.jp/fromeast1/archives/51131669.html
(好みではない・微妙との評価のエントリ)
http://yukibook.cocolog-nifty.com/opportunism/2008/10/post-f73c.html
http://blog.goo.ne.jp/hon-nono/e/fcdd0a326ff494c0d80a9f9a8940d757

悪くない評価が多いのですが、大絶賛が少ないのは不思議。
おそらくネットに多く書き込む世代より若干上の人に受けがいいのでしょう。






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