見所無き駄作:枕女優 [小説]
新堂冬樹の水商売シリーズ。
今回の舞台は芸能界なのだが、だんだん内容が薄くなって、見所が無くなってきている。
本書のストーリー
主人公の弘子がプロデューサーや経営者、原作者等様々な男に体を任せることで、大女優へと駆け上る様子を描く。
念願かなって大スターになった弘子は必死の努力で演技力も身につけていくが、役作りにはまり込むあまりに自分を見失ってしまう……。
ストーリーを見てもありきたりであることが分かってもらえると思う。
しかも、新堂冬樹の持ち味であるえげつなさ、どぎつさも本書ではあまり存在しない。確かに売り出し中の主人公が枕営業(≒体を売ることによって役をもらう)をするシーンはあまり後味が良いものではないのだが、「毒蟲VS.溝鼠 」、「闇の貴族」等で見せた圧倒的な悪の香りはしなくなっている。
こぢんまりとしている印象だ。
内容も少なくあっさり読めるのだが、「夜騎士物語―Night Knight Story」のエントリでも書いたように、あっさりしすぎて見所が少ない。
元々多作な筆者だが、最近は軽すぎる駄作が多いように思える。もう少し、以前に見られた、圧倒的パワーを持つ大作を期待したい。
☆☆(☆二つ)
【参考】
こっちもあっさりしすぎているが、ホストクラブの描写は臨場感がある。本書よりはおもしろい。
「夜騎士物語―Night Knight Story」のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-12-06
他のBlogの反応はこちら等。
(ネガティブな評価のエントリ)
http://plaza.rakuten.co.jp/automatic1/diary/200812160000/
http://ameblo.jp/4rusmasako/entry-10165684729.html
http://rolly617.cocolog-nifty.com/ready_to_fly/2008/10/post-2d02.html
http://derira.blog84.fc2.com/blog-entry-102.html
http://d.hatena.ne.jp/pnu/20080705/p1
http://blog.livedoor.jp/nomurakia/archives/51059497.html
(ニュートラルな評価のエントリ)
http://pumila.jugem.cc/?eid=998
総じて評判がよくない。
筆者の他の作品を読んだことがある人なら明らかに熱が不足しているのが分かるし、初めて読む人なら何が良いのか分からないだろう。
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