アルファブロガーへの第一歩:<不良>のための文章術 [文章]
タイトルの<不良>には「プロ」とルビが振ってある。「書いてお金を稼ぐには」と言う副題の通り、本書はライターとして雑誌に文章を書くことを想定した文章技術の本である。ただし、本書はノンフィクションを対象にしており、「ストーリーメーカー 創作のための物語論 」と違って、フィクションとしての物語の作り方は対象にしていないので、その点は注意が必要だ。
【目次】
Ⅰ<不良>(プロ)になるための心構え
Ⅱ本の紹介文を書こう
Ⅲ取材して書く
Ⅳコラム・エッセイを書く
文章を書く技術についての書籍は数多い。本書もそういった中の一つだが、本書の特徴は一気に一流の書き手を目指すのではなく、ライターとして最低限やっていけるレベルの文章を書けるようにすることを目指すところにある。
そして、筆者は、その程度の技術を身につけることは簡単であると主張する。
最低限やっていけるレベルになるための秘訣としてあげているのは、
文章を書くときは、自分を表現しようなんて言う欲は抑えて、ひたすらお客様である読者のことを考えよ
筆者の主張はこの一文につきる。
「美しい日本語を書く技術」とか、「素晴らしい物語を作る技術」と言った類の本を読んだけど、うまい文章が書けない。Blogのエントリを上げるのにも文章を書くことで四苦八苦してしまう。そういった人にこそ、本書はお薦めだ。
自分ではなく読者のために、客観的に役に立つ文章を、普通の人の能力でも書くことができる。
そう、本書はプロのライターとして、紙媒体でお金を稼ぐことを対象にした書き方がされている。
しかし、今はどんな人でもBlogと言う媒体を使って編集長兼ライターとして、文章を人に見せることができる。
そうした書き手全盛の時代においてこそ、役に立つ本であると言えよう。
とは言っても、あくまでも一流を目指すものではなく、プロとして中級を目指す本。紙媒体しかなかった古い時代とは異なり、今はインターネットに一流の文章があふれている。
本書で、アルファブロガー並の文章力を身につけることは無理であろう。そもそも、筆者の文章が一流のブロガーと比べると見劣りするのだから当然だが。
そういう意味で、本書はあくまでも入り口、後は自分でBlogを書きまくって力をつけるしかない。
最後に、本書で書かれている書評のポイントとしては、「何故素晴らしいかを具体的に書く」と言うものがある。
私はあえてそれをやらなかった。本書を読んで、始めて書いたこのエントリが、過去のエントリと比べて少しでも向上しているのなら、それが、本書を読んで素晴らしかった具体例になるのだから。
☆☆☆★(☆三つ半)
他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://shu-ha-ri.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-b201.html
http://riku.justblog.jp/weblog/2009/01/post-c8b7.html
http://coco2.cocolog-nifty.com/coco2book/2006/04/post_c804.html
http://yomuyomu.tea-nifty.com/dokushononiwa/2004/08/post_2.html
「マインドマップ的読書感想文」さん
http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51578678.html
「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」さん
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2008/12/post-8f33.html
この本の評価は、それぞれのエントリを見ればわかるのではないだろうか。
本書を読んで、書かれた文章が非凡であったなら、本書の価値はそれだけすごいと言うことだろう。
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タグ:永江朗
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