文章を書くときの接続詞辞典:文章は接続詞で決まる [文章]
「論理トレーニング101題」は接続詞に注意しながら、文章を正確に読み解くための本であった。本書は、接続詞に気を遣ってわかりやすく、綺麗な文章を書くための本である。
【目次】 序章 接続詞がよいと文章が映える 第一章 接続詞とは何か 第二章 接続詞の役割 第三章 論理の接続詞 順接の接続詞:「だから」系、「それなら」系 逆接の接続詞:「しかし」系、「ところが」系 第四章 整理の接続詞 並列の接続詞:「そして」系、「それに」系、「かつ」系 対比の接続詞:「一方」系、「または」系 列挙の接続詞:「第一に」系、「最初に」系、「まず」系 第五章 理解の接続詞 換言の接続詞:「つまり」系、「むしろ」系 例示の接続詞:「たとえば」系、「とくに」系 補足の接続詞:「なぜなら」系、「ただし」系 第六章 展開の接続詞 転換の接続詞:「さて」系、「では」系 結論の接続詞:「このように」系、「とにかく」系 第七章 文末の接続詞 否定の文末接続詞:「のではない」系、「だけではない」系 疑問の文末接続詞 説明の文末接続詞:「のだ」系、「からだ」系 意見の文末接続詞:「と思われる」系、「のではないか」系、「必要がある」系 第八章 話し言葉の接続詞 第九章 接続詞のさじ加減 第十章 接続詞の戦略的使用 第十一章 接続詞と表現効果
上記の目次は全部ではなく、接続詞の種類に着目した一部抜粋である。
これを見て、どう思うだろうか?
似たような接続詞について、これでもかと、事細かに説明されているのが理解できると思う。
本書の特徴の一つがここにあり、書き言葉・話し言葉を問わずに、日本語で使われている接続詞を網羅・分類し、わかりやすく説明しているのである。索引が充実していることもあって、接続詞辞典として、常にテーブル横に常備しておきたい一冊に仕上がっている。実際私も、図書館で借りた後に改めて購入してしまった。
本書のすごさを実感するには、試しに手にとって、目次だけでも眺めてほしい。それだけで「役に立つ」匂いがぷんぷんしてくるはずだ。
また、本書のもう一つの特徴は、接続詞を使って文章を「書く」ことに焦点を当てているところにある。
実は、このエントリではこれまでに、一つ上の「また」以外に文頭の接続詞を使用していない。これは、本書の「第九章 接続詞のさじ加減」で書かれていることで、接続詞を多用すると文章の流れが悪くなることを嫌ったためである。
接続詞をタイトルにしていながら、接続詞の効果的な使い方のみならず、接続詞を使うことの欠点・注意点までカバーした本書は、文章を書く人ならば1度は目を通しておいて損はない。
本書で対象にしている文章は、小説・エッセイのような軽いモノだけではなく、論文・社内文書のような堅い文章もターゲットに含まれている。「てにをは」を指摘するしか能のないバカらしい上司に対抗する様な用途にも使えるので、サラリーマンから学生まで広く持っていて損のない一冊である。
余談になるが、本書には接続詞について例文が多く、わかりやすいように解説されている。
そこで引用される例文のうち、毎日新聞の将棋観戦記やプロ棋士先崎学八段のエッセイ「まわり将棋は技術だ 先崎学の浮いたり沈んだり2」からの引用が結構ある。
筆者は将棋ファンなのかもしれない。
☆☆☆☆★(☆四つ半)
参考:接続詞に注意して読むための技術ならこちら。「論理トレーニング101題」のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-05-22
他のBlogの反応はこちら等。
http://neutral-air.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-3e8e.html
http://sinewave.cocolog-nifty.com/elife/2009/01/post-a88f.html
http://sakanahana.blog67.fc2.com/blog-entry-16.html
http://blog.pasonatech.co.jp/hibi/102/9348.html
http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2008/09/19225719/
エントリを見ていると、受験生・勤め人・リタイアした人・起業した人などいろいろな人がそれぞれの立場で役に立ったと言っているのが目につきます。
やはり、日本語をわかりやすく、美しく書くと言う技術はどんな立場の人にも有効なのでしょう。
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2009-02-07 08:51
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