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すぐに使えそうな経済学のトピック集:出社が楽しい経済学 [経済]


出社が楽しい経済学

出社が楽しい経済学

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 単行本



私が今NHKの番組どころか、アナログ地上波の番組で一二を争う良い出来だと思う番組「出社が楽しい経済学」の書籍化が本書。
(ちなみに、一二を争うもう一つは「カンゴロンゴ」)。
体系立てた経済学というよりも、経済学の用語・現象をわかりやすく、そして、使いやすく解説した良書である。


【目次】
サンクコスト―覆水盆に返らず
機会費用―時は金なり
比較優位―カネも能力もないあなたへ
インセンティブ―やるもやらぬもこれ次第
モラルハザード―安きに流れるは人の性
逆選択―悪貨は良貨を駆遂する
価格差別―すべてはお客様の懐次第
裁定―確実に儲かる方法、教えます
囚人のジレンマ―正直者は馬鹿を見る?
共有地の悲劇―ただ乗りはご遠慮ください
割引現在価値―おカネと時間の微妙な関係
ネットワーク外部性―つながるって素晴らしい!


本書は、NHKの番組と異なり、ドラマ・物語の部分は、最初に例として少し示されるだけで、ほとんど入っていない。その代わり、言葉の解説がしっかりしている上に、各章で「吉本先生のワンポイントレッスン」と題された補足が入っているため、番組よりもより深く理解するのに向いている。
そういう意味では、番組の愛好家で、全回見逃さずに見ている人でも十分に楽しめる作りになっている。

経済学に着目した同じコンセプトの書籍に「亜玖夢博士の経済入門」があるが、本書の方がより教科書チックでわかりやすい。網羅されている事例も多いので、経済になじみのない人には、本書がオススメである。


「出社が楽しい」と銘打っているが、中学生・高校生でも理解できるぐらいの分量・わかりやすさなので、サラリーマン以外にもお勧めできる。
少なくとも、目次をみて一つでも定義のわからない言葉があったなら是非読んでみてほしい。その程度の初歩的な経済知識がないと不利益を被ることも多いのだが、現実には理解している人は少数だろう。
経済の初歩を身につけていない人が多い日本においては、本書で軽く知識をさらっておくだけで、意外なアドバンテージが取れると思う

☆☆☆☆(☆四つ)

参考:経済学の知識を小説化した「亜玖夢博士の経済入門」のエントリはこちら。本書でも取り上げられた「囚人のジレンマ」と「ネットワーク外部性」については、読み比べてみても面白い。
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-02-09

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://www.sawa-one.com/blog/2009/02/07210711.html
http://norafp.seesaa.net/article/113574770.html
http://blog.livedoor.jp/shikengokaku/archives/697554.html
http://ohtake.cocolog-nifty.com/ohtake/2009/02/post-365e.html
http://hoop.euqset.org/archives/082459.html
http://pnk.seesaa.net/article/114282269.html

番組と併せて高評価のエントリが多数。
しかし、NHKがこんなにクオリティの高い番組を作れるのなら、しょーもないお笑いばかりの民放が太刀打ちできないのも十分に理解できます。
この番組なんてあからさまに予算がかかっていないのだから、民放でも予算的にはこの程度は作れるはずなのにNHKが作ってしまう。民放の衰退は当然のような気がします。







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