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卓越した世界観:後宮小説 [小説]


後宮小説 (新潮文庫)

後宮小説 (新潮文庫)

  • 作者: 酒見 賢一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: 文庫



中華風の世界観を持つ第1回ファンタジーノベル大賞受賞作。
独特の世界観ながら、説得力と迫真に迫る力を持った小説である。

<本書のストーリー>

田舎に生まれた主人公の少女、銀河は、腹上死した皇帝の跡継ぎが後宮を創るに当たって、自ら後宮に応募する。後宮に入るには女大学と呼ばれるところで、哲学と性について学ぶ規則だが、セシャーミン、紅葉、ターミャと言った個性的な同僚と、哲学的な角先生などに囲まれ、銀河は知的好奇心を満たしてゆく。
大学が終わり、銀河が正妃になったとき、腐敗していた帝国は反乱軍によって末期を迎えようとしていた。


本書は中華風の架空の帝国を舞台に、好奇心旺盛な田舎の少女が、皇帝の妻となり、悲壮の風すら漂う末期の帝国においておもしろおかしく生きる様を描いている。「活劇」と呼ぶにふさわしい小説となっている。

ファンタジーノベル大賞応募作だけあって、人名が読みにくいのは難点だが、それ以外に大きな欠点は見あたらず、キャラクターよし、世界観よし、ストーリーとしての面白さよしと3拍子そろった作品である。
本書は主人公はもちろん、悪役も非常にキャラが立っているので、見ていて飽きない。

ライトノベルを「ちゃらちゃら」している様に思って受け付けない人でも、「軽さ」漂う本書なら読んでいて楽しめることだろう。ライトノベルや伝奇モノと呼ばれる小説の源流を感じさせ、かつ、それらの小説を後宮にした感じを持つ本書は、万人が呼んで楽しめる出来に仕上がっている。

☆☆☆☆(☆四つ)

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://blog.goo.ne.jp/orionisorionis/e/d0cb2b840130e14105626296ec532c58
http://blogmama08go.blog27.fc2.com/blog-entry-114.html
http://blog.livedoor.jp/trpgnews/archives/471162.html
http://blog.zare.boo.jp/?eid=780657
http://ameblo.jp/tsuna11/entry-10028869994.html






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