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安定しているが故に、意外性には欠ける:煙霞 [小説]


煙霞

煙霞

  • 作者: 黒川 博行
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 単行本



黒川博行がミステリの中では若干珍しい誘拐をテーマに描いた作品。
関西を舞台に、安定した実力は発揮されているのだが……。

本書のストーリー

私立女子校の美術常勤講師、熊谷は体育講師小山田と音楽教諭の正木と組んで待遇改善のためにワンマンオーナーの酒井を誘拐する。
しかし、その誘拐は学校ブローカーの箕輪によって仕組まれたものであり、箕輪は酒井から2億円相当の金塊を奪おうとする。それに気づいた熊谷・正木は他の魑魅魍魎を真っ向敵に回して、金塊の争奪戦に参加する。


主人公が私学の美術講師。
腹黒いワンマンオーナーと胡散臭い学校ブローカー。
舞台は大阪、一部三重県。

筆者の得意とするパターンが勢揃いしている。
それだけに出来は非常に安定していて、テンポが良く、先が読めない。
はらはらしながら一気に読み進めることが出来る。

反面、安定しているが故に新たな驚きが少ないのもまた事実。
誘拐という一風変わったテーマを扱っているが、それでも物語は淡々と進んで行ってしまう。

ハッキリ言うと評価のエントリを書きにくい物語。
悪くはないのだが、積極的に勧める理由もまた、存在しない。
筆者の作品が嫌いではない人が暇つぶしに読むなら最適だが……。

☆☆☆(☆三つ)

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://yomimakuri.seesaa.net/article/120718716.html
http://shiningbrightly.blog.so-net.ne.jp/2009-05-08
http://hameji.exblog.jp/10821774/
http://blog.goo.ne.jp/full-chin/e/62206aeccde3c48cc81c977c7886b081
(ネガティブな評価のエントリ)
http://blogs.yahoo.co.jp/yukie0426jp/27057964.html
http://blog.goo.ne.jp/ksivasiva/e/81079cd1cabb35831886c5bc0674a9cc

テンポがいいところでは皆さん一致。ただ、評価は割れています。
描いたのが他の筆者だったら絶賛している気もするけど、黒川博行の作品としてみるとちょっと残念なのも事実なんだよなぁ





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