古くさい国家観:楊令伝 十 坡陀の章 [小説]
楊令伝の第10巻。
正直このシリーズにはあまり期待しなくなっているのだが、最後までは見届けようと思って続けている。
第10巻は国家建設を巡る4者4用のあり方がテーマ。
低い税金を交易と兵役で補う共産主義的な梁山泊。
北宋の政体をそのまま次いだ北京大名府を拠点とする張俊。
目指す国をうちに秘めながらも、その形が見えてこない南宋。
そして、国のあり方につて悩み、試行錯誤する岳飛。
共産主義的な国家が一番の理想型として描かれ、成功している姿を見せること自体がかなり古くさい。
団塊の世代の作家とはいえ、若干引いてしまう。
内容自体も、あまりテンポのいいシーンはなく、焦点の当たったキャラクターもいない。
キャラクターという面では老いの醜さが表れていると言ってもいいだろう。
正直言って、終わりを見たいがためだけに読み続けている本シリーズ。
今回もあまり評価したくない出来だ。
☆☆(☆二つ)
他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://blog.livedoor.jp/tiga_seven/archives/813317.html
http://rampo.typepad.jp/chagei/2009/08/10-4c96.html
http://ameblo.jp/zatsudoku/entry-10312032353.html
(ネガティブな評価のエントリ)
http://chows-cage.jugem.jp/?eid=1647
賛否両論。
私は連載が終わったときに、このシリーズをどう評価しているのだろうか……
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