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肉親の絆、理不尽な世の中:楽園 [小説]


楽園〈上〉

楽園〈上〉

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本



楽園 下

楽園 下

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本



宮部みゆきの長編小説。
ちょっとした歯車の狂いから崩壊する家族と、そこに残された肉親の絆を様々な形で描いている。

本書は「模倣犯」から9年後の世界を描く。
主人公が、超能力を持ったこどもの謎と向き合うと言う設定は「龍は眠る (新潮文庫)」を思い起こさせるし、家族を襲ったちょっとした歯車の狂いで人生が変わってしまう様は「火車」を思い出す。
そういう意味では、宮部みゆきらしさが十分に出ている小説だ。

本書が描くのは、ちょっとした弾みからどうしようもない大きな流れに流されてしまう家族の悲劇と、そんな中で描かれる善悪様々な家族の絆だ。
私は親になって日が浅いのだが、本書で描かれている長い年月を経て形作られた家族の絆。それは、素直に感動させられる。いつか自分がそのような心境に達することが出来るのであろうか……。

このように、家族の絆をミステリ風味でハラハラドキドキしながら楽しむことの出来る本書。
超能力が出てくるので、純粋なミステリとしては微妙なラインになるのだろうけど、「模倣犯」の続編という煽りで買っても失望しないだけのクオリティは十分に備えている。

久しぶりに物語を読み切ったという満足感を与えてくれる一冊だった。

☆☆☆☆(☆四つ)


本書はこんな人にオススメ
・家族と同居している人、家族と親密にふれあっている人
・肉親の絆を味わいたい人
・悲劇を楽しむことの出来る人
そして、「模倣犯」を読んだ全ての宮部みゆきファン


他のBlogの反応はこちら
(ポジティブな評価のエントリ)
http://bookwormm.blog121.fc2.com/blog-entry-64.html
http://plaza.rakuten.co.jp/waninokononiwa/diary/201001240000/
http://bllog.c-fen.com/?eid=1174626
http://ameblo.jp/komakichi/entry-10062077429.html
http://milesta.blog72.fc2.com/blog-entry-217.html
(微妙な評価のエントリ)
http://ryouchi.seesaa.net/article/61878302.html

個々に挙げた以外にもエントリは多いのだが、賛否両論入り乱れている。
「模倣犯」を下敷きにしているので、それとの絡みで言いたいことは出てくるのだろう。
個人的には本書単独で見るとさすがの出来だと思うのだが……。





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