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アフリカの閉塞感 [雑談]

Chikirinの日記さん「アフリカが発展しない理由」
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
が賛否両論、議論を呼んでいる。この人はこういう文章を書くのが本当にうまい。

私も、Chikirinさんがエントリで挙げた2冊の本は読んでいる。
「アフリカ 苦悩する大陸」のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2009-03-02
「貧困の光景」のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2009-09-24
(同じテーマの書籍、参考)「最底辺の10億人」のエントリ
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2009-02-01

これらの本を読むと、現在の援助方式では何百年経ってもアフリカは発展しないと思ってしまう。
そうした絶望はおそらくChikirinさんが感じたのと同じだ。
そして、どうすればいいかは以下で考えるけど、答えは非常に難しい。
前提として、現在アフリカが苦しんでいるのは、語弊を覚悟で言うと、独立すべきではない・独立してはやっていけない国が独立してしまったからだ。

植民地で有った経緯から、国境が民族の分布や地形を無視して引かれている(だから、アフリカの国境は地図上で見ても直線が多い)ので、以下のような弊害が起こっている。
●民族構成が入り乱れて内戦が起こりやすい
●なんの資源もない内陸国が存在する(→構造上、援助以外では生き延びられない)
また、内政を行う人材が不足していることから、以下の弊害も生じている。
●搾取のひどい劣悪なガバナンスが行われている。
●地下資源だよりの経済になってしまう。これは、劣悪なガバナンスと相まって貧富の差を拡大する上に、内戦も招きやすい。

こんな状況ではいくら援助をしても、途中で搾取されてまともに対象者に届かない上に、根本を改めることが出来ないので、なんの解決にもならない。
Chikirinさんへのコメント等では”教育”に解を見いだす人が多いが、それも絶望的だ。
なぜなら、
●初等教育については、子供が教育を受けられる環境にない。
●高等教育については、劣悪なガバナンスと民族紛争に慣れたアフリカでは、教育を受けた人が私利私欲(厳密には自分の属する民族・コミュニティへの利益誘導)に走ってしまう危険が非常に高い。

そうした状況を踏まえると、アフリカをいったん先進国が統治し、リセットして・整備した上で再度独立させるというChikirinさんが書いている解決策は最も効果的だと思われる。「最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?」の筆者も、Chikirinさんほどどぎつい言葉は使っていないが、軍事介入と法を通じた先進国の介入という、先進国による管理に近いニュアンスを述べている。

ただ、この方法は人道的な反対や、米国の軍事介入が今の情勢では期待できないことなどから、実施することは不可能に近い。ぐちゃぐちゃになったアフリカを実力でデフラグして膿を出し切ることは誰にも出来ないのが現実だろう。

ところが、そうなると一気に手詰まりになってしまうのだ。
仮に教育などによって奇跡的に人道的で実務能力のある大統領が選ばれても、隣の国の失敗による難民流入や、隣国の独裁者による侵攻などでうまくいかないので、どうやってもうまくいく気がしないのだ。


これらを踏まえると私個人としては、コトバは悪いが、アフリカはいったん諦めるしか無いと思われる。
独裁で国民が搾取されようが、経済が失敗して飢えが始まろうが、国境を越えて他の国に迷惑をかけない限り放置するのだ。
そう、北朝鮮に対して周辺国の多くが問題を認識しながらも現状維持を望んでいるように――。
その上で、国境を越えて他国に迷惑をかける場合のみ、ソマリアの海賊対策のように国際社会が武力で対応すればよいのではないだろうか。

無責任なようだが、国家主権が確立した現代では、他国の状況に対して何か出来ることなど限られてしまう。
困難な道だが、アフリカはそこに住む人で何とかするしかないのだろう。






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