本格ミステリという以外の形容詞が浮かばない:名探偵 木更津悠也 [小説]
ちょっとミステリ分が不足してきたので、手に取った本書。
他に言い表しようのない、普通の本格ミステリだ。
本書はいわゆる本格ミステリと言われる、犯人当て(その他、殺害方法当て、殺害理由当て)を楽しむ小説だ。
この手の本に詳しい人は一言ならずとも言いたいことが多いのかもしれないが、この手の本をあまり読まない私からすると、”いかにもなミステリ”と言うことにつきる。
小説として破綻している箇所はないし、キャラクターも立っていて区別がつかないと言うことはない。
ただ、これが売りだという強烈なプラスポイントが少ないのが弱点だ。
一応、本書最大の特徴は”名探偵”と言う、現実にはあり得ない存在を、斜に構えた視点で徹底的にたたきつぶしているところにある。だが、そのやり方の割に本格ミステリの枠内にとどまっているから、逆に違和感たっぷりで大笑いできるところまで行かない。
いっそのこと、東野圭吾が「名探偵の掟」でやったように、アンチミステリ風味にした方が”名探偵”をこき下ろすというコンセプトには合致していたと思うのだが……。
私のようにミステリ分が足りなくなった人や新幹線での時間つぶしには向いている。
書店でも、図書館でもたくさんの本がある中から、選び抜く一冊だとは思えないが……。
☆☆★(☆二つ半)
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(ポジティブな評価のエントリ)
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http://yaplog.jp/dokusai/archive/1027
皆さん高評価。
筆者のファンには十分答えている内容なのでしょう。
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