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人生の落とし穴を避けるガイドブック:「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本 [投資・マネー]


「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本

「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本

  • 作者: 竹下 さくら
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タイトルの通り不動産取得に当たっての基本的考え方と、多くの人が陥りがちな問題点を書いた本。
不動産取得を考えて居る人は、まずこの本を手に取ってみるといいだろう。

【目次】
第1章 そもそも借りるより買った方がいいのか
 「家賃よりローンの方が安いからトク」は本当か
 住宅購入を“資産運用”として考える
 肝心なのはライフプラン
 多額の借金を背負っても大丈夫なのか
第2章 マンションと一戸建てはどちらがいいのか
 それぞれのメリット、デメリットを検証する
 資産価値はどちらが高いのか
 買うなら、新築か中古か
第3章 お金はどこまで借りていいのか
 「借りられる額」と「返せる額」は違う
 頭金はいくらあれば十分か
 住宅ローンの正しい使い方
 家を買うなら、保険も見直そう
第4章 買うときはココに注意!物件選びのポイント
 「ハズレ」をつかむな!
 チラシ・間取り図の見方
 プロの技に惑わされない
第5章 ケーススタディで復習、応用!―成功した例、失敗した例
 家賃並みのローン返済額で住宅を購入し、家計が苦しくなった例
 ローンの当初の安い固定金利期間が終わって、返済額が急増した例
 無理なく教育費と住宅ローンを並行させた例
 自宅の建て替えの際に「賃貸併用住宅」にし、ローン負担を軽減した例
 ボーナスの大幅カットで、ローン返済が苦しくなった例
 激安物件だったが、欠陥住宅でひどい目にあった例
 実際に引き渡された物件と、当初のイメージとの違いにがっかりした例


全くの素人が不動産を買おうと思ったときに気になるのは2点。
・不動産を買って、ローンを支払っていくときの資金繰りは大丈夫か?
・不動産という買い直せないものを買うに当たって、失敗しないのか?
大きく分けて、お金と家の造りについてが気になるところだろう。

このうち、本書では7:3ぐらいの割合でお金の面について力を入れている。
これは、家の造りについての失敗は致命的な欠陥住宅を掴まない限りリフォームや補修で対応できるのに対して、お金で失敗すると取り返しがつかないからだろう。


そして、本書がすごいのは不動産取得に当たって、実用的に使える知識が詰まっているところ。
ネットなどではよく見られる、「購入と賃貸はどっちが得か?」とか「一戸建てとマンションどっちが得か?」といった泥沼の論争については、「条件次第でどっちにもなり得る。多くはトントン」とさらっと流した上で、買うときに身分不相応なローンを組まないように薦めている。

そのときのキーワードはローンの年収負担率
ローンの返済が月額いくらかではなく、年のローン支払いが年収の何%になるかを考えるというもの。
年収の20%がベスト。ちょっと無理して25%。
それを超えると一気に生活は苦しくなる。のだが……、銀行は年収の35%までは貸し出すという。
それを真に受けて夢のマイホームが人生の足枷にならないように、本書を読んでから家を探して欲しい。

ちなみに、年収約750万円の私の場合だと、年収負担率25%で借り入れ可能なのは3,000万円弱。
これを借りすぎと思うか、少なすぎてろくな物件を買えないと思うのかは人によるだろうが、後々後悔しないためにはフェールセーフの考え方で安全すぎる方がいいのだろう。


本書を読めば、家を買って当然と思っている人も冷静になるだろうし、ローンを背負うのが怖いと思っている人も良心的な解説だと感じてもらえるだろう。
それほどまでに、本書は中立的かつ実用的だ。
大きな失敗をする前の保険と思えばお得なはず。

☆☆☆☆(☆四つ)








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