子供の人生を取り戻せ:母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き [社会]
娘の人生を支配する母親の物語。
過保護の行き着く先には、娘が一生母親のドレイとして生きるしかない悲惨な結末が待っている。
【目次】
1 母が重くてたまらない―さまざまな事例から
ママのための中学受験
母と娘の「運命共同体」
息子を見上げ、娘を見下ろす母
気がつけば、落とし穴
自分の不幸にふたをして
団塊母の苦しみ
傷つけ合うことで深まる絆
父の存在はどこに?
無邪気な独裁者
2 母とは一体誰なのか?
母親を徹底的に分析する
母をどうとらえればいいの?
3 迷宮からの脱出―問題解決の糸口
母に対する処方箋
父に対する処方箋
墓守娘に対する処方箋
本書のタイトル”墓守娘”が表すように、ここで取り上げられているのは、弱者の振りをした母親を哀れみと義務感から、一生をかけて支え続ける娘の姿である。
母親に支配され続ける人生というのは、娘にとってはもちろん、母親・父親共に不幸にしてしまう。
カウンセラーである筆者は、そうなってしまう原因を分析し、娘・父・母に対する処方箋を書いている。
詳細は見ていただくとして、究極的には、肉親といえども別の人間なので、自分は自分で生きていくことを決意するしかないのだろう。
一つ前のエントリで触れた、「「婚活」現象の社会学 日本の配偶者選択のいま」と併せて読むと、自分の考えを持つ大切さと、マスコミの罪が浮き出てくるようで非常に考えさせられる。
本書を読んだ後には、この悲惨な結末に置かれた娘達が、自分の人生を取り戻すことを願わずにはいられない。娘を持つ親、実際に娘だった女性は是非読んでみて欲しい。
読後感は良いとは言えないが、何か感じるものを得られると思う。
☆☆☆★(☆三つ半)
余談だが、この墓守娘という現象は、団塊の父母のものでの一過性のものなのか、どこでもあり得るものなのかについてもう少し分析があるとなお良かったのだが。
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非常に重たいエントリが多数。
あまり学術的、統計的な本ではないが、それだけに真ん中を射貫いているのかもしれない。
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