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まっとうな漢方入門:西洋医がすすめる漢方 [健康]


西洋医がすすめる漢方 (新潮選書)

西洋医がすすめる漢方 (新潮選書)

  • 作者: 新見 正則
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/08
  • メディア: 単行本



非常にまっとうな漢方入門
その一言に尽きる本書だが、そのまっとうさ故にその存在価値は非常に高くなっている。

【目次】
第1章 漢方嫌いが漢方好きになるまで
第2章 漢方理論を理解する
第3章 漢方との接し方
第4章 症例別の治療法
第5章 頻用漢方薬
第6章 生薬解説


本書の素晴らしいところは、漢方薬の立ち位置をしっかりわきまえた上で、その魅力を語っていることである。
具体的には、
●まず、西洋医学で直す。それでもダメな場合や軽症の場合のみ漢方治療を行う。
●西洋医学は健康を保つ上で不可欠
●漢方薬に理論上説明できる効果はないが、直った実績があるなら試して損はない
●漢方薬は保険適用のもので十分
と言ったところである。

医者は医学部に入学できれば高い確率で資格を取れるので、たまにとんでもない人たちが存在する。
明らかにお金儲けのために怪しげな代替医療を薦めたり、自ら西洋医学を否定して代替医療に真剣にはまったりする例が見られるからだ。
そんな怪しげな人も”医者”という肩書きを持っているが故に、一般人には一定の説得力を発揮するからたちが悪い。

そんな悪徳や無能な医者と違って、筆者は西洋医学で体を治すのが第一であることを明確にした上で、さらに、理論上の説明がつかない漢方も実績を加味して考えるなら試して損はないというスタンスで薦めている。これなら、西洋医学を否定しないので怪しげな代替医療の人たちと違って、患者が治療の機会を奪われることはない。

さらに、漢方は保険適用のもので十分とするので、無審査の漢方による副作用からも逃れることが出来る。

ここまで患者の安全を考えて居るのならば、後は専門医に相談してみながら自分で試してみればいい。
そのときの手引きとなる、有名漢方薬の解説も本書後半でなされている。
手元に置いて、漢方版”家庭の医学”としても使える出来になっているのだ。

漢方薬に興味を持っている人や、西洋医学を何となく毛嫌いしている人は是非読んで欲しい。
ちゃんとした医療として漢方に取り組む入門としては良くできている。

☆☆☆☆(☆四つ)

他のBlogの反応はこちら
http://phnet.at.webry.info/201009/article_1.html

良い本なのに、エントリは少ない。
確かに選書じゃ地味だけど……。
怪しげな漢方もどきに引っかかる前に、読んでほしいのですが。





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