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取り返しがつかなくなる前に行動せよ:希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学 [経済]


希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

  • 作者: 池田 信夫
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2009/10/09
  • メディア: 単行本



日本は既に下り坂に入っている。 昔の夢を追わずに、とっとと敗戦処理に入るべきだ。

と言うことを、経済学の視点から、わかりやすく解説した一冊。

【目次】
はじめに
第1章 格差の正体
第2章 ノンワーキング・リッチ
第3章 終身雇用の神話
第4章 長期停滞への道
第5章 失われた20年
第6章 景気対策の限界
第7章 日本株式会社の終焉
第8章 「ものづくり立国」の神話
第9章 イノベーションと成長戦略
おわりに


本書が言いたいのは、日本の制度は官民ともに、時代遅れになっており、将来にわたって維持していくのは不可能だと言うこと。そして、維持が不可能となった制度にしがみつかずに、敗戦処理として新たな制度を築くべきだと言うことだ。

日本企業が終身雇用を維持しているために、非正規雇用の人々は労働に比べて少ない報酬しか受け取ることが出来ない。それは、働きに対して過大な報酬を受け取るノンワーキング・リッチなおっさん達が会社の上層部に居座っているからだ。

一方、官僚の方も時代遅れになっている産業政策(国策で特定の産業を振興しようとする政策)にしがみついている。エコポイント制度などはその最たるもので、国民の税金を家電業界につぎ込んでいる。
ところが、家電業界は世界市場ではサムソンに負けてろくにシェアを取れていない。

そうした現状の誤りを経済学的に指摘しつつ、無駄な努力を避けて上手に老いていく国を目指すべきだと提言する本書。
タイトル通り希望は残っていないのだが、それでも、政治家の語る未来よりは本書の未来の方が素晴らしい。
既に詰んでいる日本なのだが、うまく敗戦処理をしていくことで、日本を無駄な消耗戦から救うことが出来る。

今の8割ぐらいの豊かさを保って社会を落ち着かせることが出来るなら、それは一つの選択肢になるのかもしれない。

☆☆☆☆★(☆四つ半)

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今の日本は、倒産を回避しようとして、場当たり的な新規事業ばかりを行っている末期的な企業を想像させる。
うまくいかないなら、ちょっぴり損が出ても解散してしまえば、少しなりとも財産が残るのに、無駄なあがきで全てを失おうとしているように見えるのだ……。






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