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引きこもりは病気だ!:ドキュメントひきこもり 「長期化」と「高年齢化」の実態 [社会]


ドキュメントひきこもり 「長期化」と「高年齢化」の実態 (宝島社新書316)

ドキュメントひきこもり 「長期化」と「高年齢化」の実態 (宝島社新書316)

  • 作者: 池上 正樹
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/07/09
  • メディア: 新書



引きこもりについて世間が持っているイメージは、
若い男の子が、不登校になって、部屋から出てこない。
と言うのが一般的だろう。

ところが、実体の引きこもりはそれと全然違う。
・10年近く引きこもる長期的引きこもりは多い。
・40代の引きこもりも珍しくない。
・学校時代は問題なくとも、社会人になってから仕事の壁に当たって引きこもる人も多い。
・女性の引きこもりも当然いる。
と言った、ステレオタイプの引きこもりとは全く異なる”引きこもり”像があることが本書ではよくわかる。

【目次】
まえがき

第1章 ひきこもり――家族の肖像
 愛知県豊川市一家5人殺傷事件
 「ひきこもり」の数は50~100万人
 台所の包丁を隠す親
 …ほか

第2章 “怠け”なのか“病気”なのか
 緊張の糸がプツッと切れる瞬間
 頂上に上がったら、転げ落ちていった
 アニメ、ゲームにハマっても学年トップの成績
 …ほか

第3章 急増する「社会人ひきこもり」
 新たな「ひきこもり」層の出現
 「就労経験者はひきこもらない」という神話の崩壊
 会社の人間関係でノイローゼに
 …ほか

第4章 路上にひきこもる人々
 「ひきこもる」場所は関係ない
 「ひきこもり」はセーフティーネットの枠外
 ホームレスの6割が精神疾患を抱えている
 …ほか

第5章 “ひきこもり社会”日本の処方箋
 「非モテ」から「リア充」を目指す
 なぜ自分は愛されないのか?
 遺跡発掘の仕事なら長続きする
 …ほか

あとがき


本書はサブタイトルにもあるように、引きこもりの長期化と高年齢化を主眼に描かれている。
引きこもりは若い時に出る一過性の状態ではないし、放っておいて直るものでもないと言うことがよくわかる。
身近に引きこもりの人がいる読者にとってはつらいドキュメントが並んでいて、読んでいる人にリアルな問題意識を引き起こす。

そして、本書が提言するもう一つのテーマは
引きこもりは病気であると言うこと。
病気と言っても、石原都知事当たりが言いそうな、異常者を指す比喩としての病気ではない。
発達障害等リアルの病気であることが多いことが分かっているのだ。
病気を治療しないことで引きこもりになり、社会から一時的に離れることで社会復帰はますます難しくなっていく。こうした負のスパイラルが引きこもりには存在しているのだ。

さらに、病気以外で引きこもった場合でも、長期間社会と隔絶されることで視線恐怖やパニック障害等の病気を引き起こすことが多いらしい。
引きこもりは二重の意味で治療が必要なのだ。

鬱病患者が増えてきても、まだまだ精神科の垣根は高い日本。
そうした状況が引きこもりを間違えた方向へ誘っていく。
引きこもったら、まず病院。この認識を一人でも多くの人に持ってもらいたい。

☆☆☆★(☆三つ半)

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引きこもりは早期発見、早期対処が重要。
変な気を遣わずに、まずは病院へ





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