第2作の持ち味を継承:疑心―隠蔽捜査〈3〉 [小説]
このエントリで触れた隠蔽捜査シリーズの第三作。
キャラクター、シリーズの雰囲気は前2作同様なので、シリーズのファンには安心して手に取ることができる作品となっている。
本書では、主人公の竜崎が大森署の所長でありながら、米国大統領警護のための方面本部長となる。
前シリーズからの特徴である、竜崎の合理性と、降格されたキャリア官僚という持ち味は健在なので安定した出来になっている。
このレベルで安定しているのは、読者が安心して手に取ることができるので、非常にありがたい。
逆に、第1作では警察庁勤務のキャリア官僚が事件解決するという意外性、第2作では降格されながらも志を失わずにキャリア署長として事件解決に関与するという目先の変わった味付けがあった。
ところが、第3作は第2作の延長であり、キャラクターの背景に大きな変化はない。
これをいい意味で取るか、サプライズが足りないと取るかは読者次第だが、今までの驚きがないのは確か。
普通におもしろいんだけど、今まで2作が素晴らしかっただけに、個人的にはあと一歩の驚きが欲しかった。
☆☆☆(☆三つ)
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賛否両論。
出来はいいんだけど、驚きがないんですよね。
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