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主人公に注目してあげてください:羊たちの沈黙 [小説]


羊たちの沈黙 (新潮文庫)

羊たちの沈黙 (新潮文庫)

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/09
  • メディア: 文庫



映画化されて大ヒット。
懐かしの有名ホラーを再読。

再読した理由は、「ストーリーメーカー 創作のための物語論」で引用されていたからのだが、ストーリーという視点で見ると、非常によくできた作品だ。

本書が初めて日本で紹介されたときには、どういう点が売りになっていだのだろうか?
私は世代的には本書の世代より下なので、初めて出てきた時の世間の雰囲気は知らない。

が、想像するに、心理学をテーマにしたホラーというところが売りになっていたのではなかろうか。
心理学によって、人の行動を予測する。という行動は”プロファイリング”という呼び名で一時はやった記憶があるし、米国の作品が日本に紹介されるに当たって、ありそうな売り出し方だろう。

そして、心理学を駆使するハンニバル・レクターのキャラクターが本書の魅力である以上、そうした売り方も大きな間違いではない。

ただ、本書を心理学に基づいてサイコパスを追い詰めるホラー小説。とかくと、本書の魅力を十分に示すことのできない紹介文になってしまう。
本書で一番強烈なキャラクターはハンニバル・レクターだが、本書の主人公はあくまでもスターリングであり、本書の魅力は主人公が強烈な”悪”と対峙して、自分のダークサイドを魅せつけられながらも、困難を乗り越え、成長していくところにあるからだ。

本書を紹介する人はハンニバル・レクターに多くの言葉を費やすだろうが、それ以上に重要で、本書をエキサイティングにしているのは間違いなくスターリングだ。

ハンニバルに強烈な印象を持って、それしか覚えていない人は、一海読んだ人でもスターリングに注目して再読する価値がある。

☆☆☆☆★(☆四つ半)

他のBlogの反応はこちら。
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どちらかというと、映画版のエントリのほうが多い。
読書家より、映画好きの人口のほうが多いのだろうか?

ちなみに、私は気になりませんでしたが、翻訳の評判は悪いようです。


羊たちの沈黙 (アルティメット・エディション) [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD







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