ミステリ回帰:アリアドネの弾丸 [小説]
医療絡みの時事ネタ・制度矛盾の話が多かったシリーズから、久しぶりにミステリに回帰した一冊。
デビュー作、「チーム・バチスタの栄光」に読み味が近い。
ミステリ成分が増えた作品ということで、デビュー作から追い続けていたけど、最近の作風はどうも……。
となっていた人にはドンピシャでオススメの一冊。
キャラクターの持ち味はそのままなので、第2作目以降のシリーズが好きな人でももちろん大丈夫だ。
そして、本書の裏の魅力は警察の描写。
従来のミステリ作品では、「隠蔽捜査」のように、正義の味方として警察が描かれたり、「踊る大捜査線」のように、キャリア組とノンキャリア組を分けた上で、後者を正義の味方として位置づけるパターンが多い。
が、本書は警察という組織が持つ闇のイメージを的確に描き出している。
「警官の血」などもそうした一面を持つ作品なのだが、あくまでも警察の理不尽による被害者という側面が強い。
それに対して本書は、確信犯的な警察の悪・闇を描いていることが素晴らしい。
仕事で警察とか変わった人は、この見方に一定の理解を示すだろう。
医療ネタ成分が若干少なめだが、その他は高いレベルでまとまっている一冊。
間違いなくオススメ。
☆☆☆☆(☆4つ)
他のBlogの反応はこちら。
http://blog.goo.ne.jp/mjsamson/e/96e4136b826538628ee79ac887946fba
http://d.hatena.ne.jp/kouraiha/20110911
http://d.hatena.ne.jp/nakorake/20110623/1308841789
http://blogs.yahoo.co.jp/coico515/62666280.html
http://hidebook.seesaa.net/article/199811296.html
http://ameblo.jp/hanadiary/entry-10862667087.html
ドラマ化されたようで、そちらのほうがエントリ多め。
本よりもドラマのほうが好きな人が多いことを再認識させられる結果でした。
私みたいに映像より活字が好きな人は少数派なんですね。
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