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ゴミ企業を生み出すのはやめよう。:〈起業〉という幻想 ─ アメリカン・ドリームの現実 [社会]


〈起業〉という幻想 ─ アメリカン・ドリームの現実

〈起業〉という幻想 ─ アメリカン・ドリームの現実

  • 作者: スコット A シェーン
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2011/09/27
  • メディア: 単行本



日本では起業が少ない。
米国ではGoogleやAppleが大きな雇用を生んでいる以上、起業を支援するべき。
と言った意見は頻繁に見られる。

そうした意見がいかにトンチンカンかよくわかる一冊

【目次】
第1章 アメリカ―起業ブームの起業家大陸
第2章 今日における起業家的な産業とは何か?
第3章 誰が起業家となるのか?
第4章 典型的なスタートアップ企業とは、どのようなものなのか?
第5章 新たなビジネスは、どのように資金調達をしているのか?
第6章 典型的な起業家は、どのくらいうまくやっているのか?
第7章 成功する起業家とそうでない起業家の違いは何か?
第8章 なぜ、女性は起業しないのか?
第9章 なぜ、黒人起業家は少ないのか?
第10章 平均的なスタートアップ企業には、どの程度の価値があるのか?


本書は米国での起業の現実を調査し、その現実を冷酷に描いている。
米国でも起業は国際的に見ても高い水準ではないし、しかも、起業される多くの会社はサービス・建設といったありきたりで、競争優位性を持たない会社だ。

そして、起業して設立される多くの会社はありきたりで、独自のビジネスプランがなく、特段の競争優位性を持っていないがゆえにあっという間に潰れていく
これが、日本よりも起業が多い米国での現実だ。

そうした現実があるがゆえに、起業支援は米国でも経済を上向ける効果がないどころか、非効率な零細企業を量産するという面でマイナスの面が大きい。
これは当然日本でも当てはまり、起業支援は国の経済にとってマイナスでしか無い。

起業という言葉からイメージされるのは、(日本だと)ソフトバンクやサイバーエージェントなのかもしれないが、現実には駅前のラーメン屋が増えるだけ
そして、そのラーメン屋は3年後には潰れている。
そんな現実がよくわかる一冊。起業しようと思っている人、起業支援政策に携わる役人などは必見。
起業する前に、今のビジネスで成果を出すことが重要だ。

☆☆☆☆(☆4つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1557518.html
http://blog.altemasoft.com/article/49402987.html
http://agora-web.jp/archives/1385154.html
http://barbare.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/a-c939.html
http://blog.goo.ne.jp/go2c/e/f2f44a23b761538282cc04a56d3798e5
http://blog.livedoor.jp/nobukun1001/archives/51892471.html

こんなにひどい起業という行為なのに、それを薦める人が後を絶たないのは、インチキ投資指南と同じく生き残りバイアスがかかっているから。
5年前に起業して生き残っているのは相当上手く行った部類なのに、そうした人だけが起業を語るからバラ色の未来に見えてくるのだと思う。






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