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世界はどんどん豊になっていく:次なる経済大国 [社会]


次なる経済大国

次なる経済大国

  • 作者: ジム・オニール
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 単行本



BRICsの概念を生み出した、ゴールドマン・サックスのエコノミストが描いた、BRICs後の世界経済の見通し
筆者が昔に予想したとおり、BRICsは発展途上国から先進国に移りつつある。

世界は今後どう動くのか?過去に予測を当てた人が次の予測を当てられる保証はない。ただ、一回大きな予測を当てた人には、それなりの説得力がある

【目次】
序章 想像を絶する成長
第1章 BRICsの誕生
第2章 「新興」から「発展」へ
第3章 BRICs―ブラジル、ロシア、インド、中国
第4章 勃興する成長国市場
第5章 成長に伴う資源は十分か
第6章 次なる消費大国
第7章 歴史を超える新たな経済同盟
第8章 世界経済の新たな秩序
第9章 塗り替わる世界経済地図
終章 世界はよりよい時代に


BRICsの今後についてはいろいろな意見がある。
日本では、中国が近く、人権無視や郊外などのアラも見ることができるだけに今までのようには発展しないという意見も多い(極端な論者だと中国分裂説を唱えていたりする)。

ところが、筆者の意見は真逆だ。
BRICsは基本的に発展を続けるし、ネクスト・イレブン(N-11)と筆者が命名したイラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコも先進国になったり、発展途上国を抜け出し"成長国"になったりする。
つまり、世界はどんどん豊になっていき、貧しい人は減っていくと見ている。

もちろん、この予測には前提条件があるし、これから努力が必要な部分も多い。
それでも、筆者は世界の行く末を楽観的に見ている。

では、筆者の予測があたった時、日本はどうなるのだろうか?
世界では豊な人が増えるのだから、日本が成長しないままだと、日本人は相対的に見ると貧しくなってくる
もちろん、絶対的な豊かさはある程度維持されるので、生活レベルがお大きく落ちることは無いだろうが、世界中で上得意・有力プレイヤーとして扱われている今の状況は維持できない。

それが嫌なら、英語を使えるようにして世界中で誕生する豊な人々を相手に商売をし、移民を認めて”日本人”の人口を増やしていかなくてはならない。
今の老人が牛耳る日本ではどちらも無理そうだが、それらをしなければ、日本は過去の栄光だけが売りの中堅国家に落ちていくだろう。

世界が豊かになるという筆者の予測は、貧困が少なくなるという意味で非常に楽観的だ。
だが、その楽観予測があたった場合、日本の将来が必ずしも明るくないところに、非常に悩ましい思いを抱かざるを得ない。
考える素材としては、非常に優れた一冊だ。

☆☆☆☆(☆4つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://bcft60.blog13.fc2.com/blog-entry-3487.html
http://www.ge.dendai.ac.jp/dayori/2012/02/post-13.html
http://hachio88.com/archives/51777208.html
http://blog.explore.ne.jp/kitsu/75782.html

賛否両論あるけど、過去の栄光に縋って、現状を見ない人間にはなりたくない。
そういう後ろ向きな人が一定数いるのは残念……。






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