ゲーム理論入門書の決定版:戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法 [経済]
エール大学のビジネススクールで使用されている(されていた?)ゲーム理論の翻訳書。
20年以上昔の本だが、例が古いこと以外は、今読んでも十分に通用する内容だ。
【目次】
序章 戦略的思考とは何か
第1部 ゲーム理論の基本的コンセプト
戦略ショートショート
交互行動ゲーム
同時進行ゲーム
第2部 基本的コンセプトの発展
囚人のジレンマ
戦略活用行動
実行の確約
予測不能性
第3部 ゲーム理論の戦略的状況への応用
瀬戸際戦略
協力と協調
投票
交渉
誘因
ケース・スタディ
本書を読めば、全く知識のない人でも、ゲーム理論の基礎は十分に理解できる。
そして、分量こそあるものの、最後まで読み進めることは非常に簡単だ。
その理由は、事例が無味乾燥な数字や記号ではなく、現実に起こった政治・経済の事例を中心に書かれているから。
こんなことを勉強して何になるのだろう?という、学習者にとっての最大のタブーを感じることなく最後まで一気に読み終えることができる。
ゲーム理論の入門書としては、間違いなくオススメである。
分量を減らしたり、見た目を柔らかくすることで初心者向けをアピールする本は多いが、本書こそ初心者向けにふさわしい。分量や装丁が問題なのではなく、学びやすいかどうかがポイントであることが本書を見ればよく分かる。
☆☆☆☆(☆4つ)
ちなみに、ゲーム理論の基本は、相手の立場にたって考えること。
日本で、「相手の立場にたって考える」というと、道徳的な意味で言われることが多いが、道徳的な問題は関係なく重要なのだ。囲碁や将棋のプロが自分が勝つために「相手の立場にたって考える」様に、ビジネスや政治でも自分のためを考えるからこそ、「相手の立場にたって考える」べきなのだ。
他のBlogの反応はこちら。
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http://talkinloudchairs.blog32.fc2.com/blog-entry-162.html
http://pockyonline.blog22.fc2.com/blog-entry-89.html
http://blog.livedoor.jp/bestbooks/archives/50774920.html
http://blog.goo.ne.jp/lycat509/e/7b746e34e5ba1a420d190de9b90b4379
大昔の本なのに、意外とエントリが多い。
それも納得できるぐらいに使える本です。
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