もはや医療系時事放談:ナニワ・モンスター [小説]
ついに白鳥・田口コンビが出てこなくなった……。
今回のテーマは新型インフルエンザに伴うパニック。
弱毒性のインフルエンザに対するピントの外れた過剰な対策を、筆者独特の官僚批判と陰謀論仕立てのストーリーに乗せて、面白おかしく描いている。
現在はマスコミの医療批判は高まっているし、財政が厳しいため医療費も締め付けられているので、筆者のネタは尽きることがない。
今回も新型インフルエンザ・パニックにおけるマスコミと厚労省の過剰な反応をネタにしている。
デビュー作はミステリだったが、最近は謎のない作品も多く、本書もそのひとつ。
ミステリファンにはオススメできないが、筆者の描く世界観が好きな人、これからも筆者の作品を読み続けたい人にはお薦めできる。
今回の作品は壮大な伏線みたいなもので、単独でどうこうというより、今後につながっていく作品だと思われるので……。
作品単独の評価はしにくいが、筆者のファンなら手にとっても裏切られることはないだろう。
☆☆☆(☆3つ)
他のBlogの反応はこちら。
http://takotakotakoyaki.blog52.fc2.com/blog-entry-4086.html
http://blog.otokomaeno.com/?eid=682
http://blog.goo.ne.jp/apheta1969/e/e01914a349e546f1943f8ec4b4f8ea58
http://blogs.yahoo.co.jp/coico515/63291660.html
http://crutonpapa.at.webry.info/201203/article_66.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tni1_1/62105109.html
ちなみに、本書のネタの一つが厚労省の村木局長逮捕事件。
本書は、無罪判決が出る前に書かれた(あるいは構想された)んだろうな……。
海堂尊が描く世界よりは現実はもうちょっとだけマシだったということなんでしょう。
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