江戸時代の謀略戦:雲霧仁左衛門 [小説]
「鬼平犯科帳(一)」より前に書かれた江戸の火付盗賊改方vs大盗賊の物語。
少し前に、現代のスパイ小説である「エスピオナージ」のエントリを書いた。
本書は江戸時代の話ではあるが、それよりもすごいスケールの盗賊小説だ。
電子デバイスこそ出てこないが、尾行・暗殺・謀略何でもありのバトルが本書の中で繰り広げられている。
千両箱を盗み出すために全力をつくす盗賊側。
江戸の治安を守るために、私財をなげうって捜査に励む火付盗賊改方。
現代の科学知識がない代わりに、現代では違法とされるような荒っぽい捜査も認められる世界観。
ミステリやスパイ小説とは一味違った味付けだが、同じスリルを味わうことができる。
本書は盗賊側の雲霧仁左衛門が主人公になっているのもポイント。
巨匠池波正太郎の描く悪のヒーローはさすがに魅力的だ。
☆☆☆☆(☆4つ)
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と思ったら、映画の話ばかりが出てくる。私は時代劇こそ映像よりも小説だと思うタイプなのだが、世間一般では映像のほうが人気なんだろうか。
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