行動原理が理解しやすいシリアルキラー:悪の教典 [小説]
ちょっと抜けているハンニバル・レクターが主人公。
抜けていると言うよりも俗っぽいという方が正しいのかもしれない。
「羊たちの沈黙」のダーク・ヒーローを俗世に近づければ、本書の主人公のような人物になるのだろう。
本書をお薦めできるのは「羊たちの沈黙」とか「バトル・ロワイアル」が大丈夫な人たちだ。
中身について、本書はネタバレに向かない小説なので、あらすじを語るようなことはしない。
先を知らないからこそ、最後まで一気に引き込まれるし、ワクワク・ドキドキを失わずに最後まで読み切ることが出来る内容だ。
本書のレベルは高いので、タイプ的に苦手でなければ、手にとって公開することはないだろう。
強いて言うなら、強力な敵役が一人欲しかったところ。
悪の主人公vsその他大勢の図式になっていながら、ラストがあのトーンなのでやや最後にしらけてしまう。
続編がありそうな感じもする作品なので、その時には是非協力な対抗馬を用意して欲しい。
☆☆☆☆(☆4つ)
映画やコミックのエントリが多く、書評エントリを探し当てるのが骨なので、他のエントリ紹介はなし。
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