サルに囲まれた世界を生きる不条理:不愉快なことには理由がある [エッセイ他]
最新鋭の進化論をベースに日本を取り巻く様々な問題について書かれたエッセイ集。
シニカルな橘節は健在で、あまり愉快な気持ちになれないがグイグイと引きこまれて読みきってしまう。
【目次】
世界の秘密はすべて解けてしまった
1 政治
不思議なデモクラシー
有権者はバカでもいいのか? ほか
2 経済
グローバル市場と国民国家
日本経済の「不都合な真実」 ほか
3 社会
特別な日本、普通な日本
日本人の「混乱」 ほか
4 人生
彼と彼女の微妙な問題
日常に溢れる「魔法」 ほか
進化論的リバタリアニズムのために
本書を貫く基本的な考え方は、人間は動物である。という考え方。
長い年月をかけて進化してきた人類でも、近代的な生活をするようになったのはほんの数百年間。それまでは動物として縄張り争いやサバイバル生活を生き抜いてきたので、そうした生活に適応した個体が生き残ることで、人間の大脳は動物としての行動様式に縛られてしまっているのだ。
この考え方を基本線として、今の日本を取り巻く様々な状況を読み解いているのが本書。
尖閣諸島をめぐる領土問題は絶対に解決が不可能。
日本の国債バブルはいつか必ず破裂する。
このように、読者の耳に痛い内容ながら説得力のある論調が繰り広げられている。
「(日本人)」のように、統一したテーマで述べられているわけではなのだが、細切れである分気軽に読むことができる。
(「(日本人)」のネタを流用している部分もある)。
筆者のBlogを読んでオモシロイと思った人になら損はない一冊。
☆☆☆☆★(☆4つ半)
他のBlogの反応はこちら。
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本書を読むとちょっとしたTipsが非常に心に残る。
男の子が車を好み、女の子が人形を好む理由なんかは納得してしまった……。
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