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出羽守を通じて日本を再確認する:イギリスの夫婦はなぜ手をつなぐのか [その他]


イギリスの夫婦はなぜ手をつなぐのか (新潮文庫)

イギリスの夫婦はなぜ手をつなぐのか (新潮文庫)

  • 作者: 井形 慶子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/11/28
  • メディア: 文庫



筆者が見知った範囲での英国の夫婦事情を理想視して、日本の悪いところを語るという、海外出羽守にありがちな一冊。読んでいて愉快なものではないのだが、橘玲の「(日本人)」のような日本人論を理解する補助線としては面白い。
【目次】
第1章 バラの花とアイラブユーの必要性
第2章 夫婦一番子どもは二番
第3章 なぜ女性にかわいさを求めないのか
第4章 察する日本のあやふや 契約社会イギリスの明朗
第5章 型通りの結婚をやめるメリット
第6章 私たちの表現力をダメにする悪習の数々
第7章 イギリスの夫婦はなぜ手をつなぐのか


雑多な意見が「英国ではこうだが、日本はまだまだ至らないところが多い。」と言った論調で主張されていて、余りまとまりがあるわけではないのだが、主要な主張はは以下の3点だろう。
・自分の人生は自分で決めて、その決断には責任を持つべき。
・結婚しても男女の関係は大事にする。
・言いたいことははっきりと主張しよう。
総じて、日本では個人主義が根付いていないと言いたいようだ

本書は科学的統計ではないし、筆者が自分が見聞きした範囲から自分の主張に都合がいいところを抜粋している。そのため筆者は、現実では日本が世界有数の個人主義を大事にしている国であることを理解できていない。むしろ、所謂女性誌系統の筆者がなぜこのような主張をするかという点のほうが興味深い。

ちなみに、本書は2000年台半ばの出版。対象としている読者は今の50代以上がメイン。つまり、時代背景的に基本的には母親としての役目をおう専業主婦にならざるを得なかった人々が対象なのだろう。
だが、時代は代わり、今や専業主婦は高嶺の花になり女性でも仕事をしているのが当たり前の世の中になってきている。(英国は日本よりも先に経済が成熟して、専業主婦で居られなかった国だ)。もう何年かすると、本書で書かれていることの多くは「なんでわざわざこんなことを書いているのだろう」という時代がやってくるのだろう。

あまり読んでいて面白い本ではないが、読みながらなぜ筆者はこんなことを書いたのだろうか?誰に向けて書いているのだろうか?と考えながら読むと色々考えるきっかけとなるだろう。

☆☆★(☆2つ半)

他のBlogの反応はこちら。
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コメント 1

まこと・いちろー

トラックバック有難うございます。
私は英国関連書籍だけのブログですが、book-skさんは多岐にわたってレビューしてますね。
また機会があったら宜しくお願いします。
by まこと・いちろー (2013-03-24 23:35) 

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