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トップにしか出来ない仕事:宰相のインテリジェンス: 9・11から3・11へ [社会]


宰相のインテリジェンス: 9・11から3・11へ (新潮文庫)

宰相のインテリジェンス: 9・11から3・11へ (新潮文庫)

  • 作者: 手嶋 龍一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/08/28
  • メディア: 文庫



9.11の米国同時多発テロから3.11東日本大震災までの間に起こった政治的な問題に対する、米国・日本の首脳の対応を描いた一冊。
筆者らならではの深く、それでいてわかりやすい内容が並んでいて、興味は尽きない。

【目次】
第1章 ブラック・ホークが舞い降りた
第2章 情報策源地グアンタナモ
第3章 テロリストたちの航跡
第4章 ワシントン支局長の264時間
第5章 戦争は一角獣に乗って
第6章 アメリカの余りに永き不在
第7章 縮みゆくニッポン
第8章 黒鳥が舞い降りた


本書の前半は米国のインテリジェンスの内幕。
一般人のイメージでは米国は軍事・情報では並ぶものなき最強の国家であり、収集する情報の質、それに基づく意思決定とも最高レベルにあって誤りなどお起用が内容にも思える。事実、後述する日本に比べるとはるかにインテリジェンスは機能している。

だが、莫大な予算と人員をインテリジェンスにつぎ込んでいる米国ですら完璧でなく、過去の絶頂期から比べると劣化していることがわかるのが本書の前半部分なのだ。
大量破壊兵器の存在を理由にイラクを攻撃するようなマヌケな真似を晒したのはなぜなのか?太平洋地域で中国の膨張を許しているのはなぜなのか?
このような米国が以降のほころびがうまくレポートされているところは一見の価値が有る。

続く本書の後半は日本のインテリジェンスについて。
こちらは皆が思っているように、とても貧弱なものだ。
日米安保の重要性を保てずに6カ国会議にイニシアチブを奪われてる状況、東日本大震災の際に意味のない現場視察を行い、本当にトップがするべき決断を出来なかった状況……。
このパートは日本人であれば知っている当然の内容でありながら、読んでいて暗い気持ちになってくる。

外交・インテリジェンスの現実を記した、わかりやすく読める一冊。
すぐに活用できるというわけではないが、本書から示唆される内容はビジネスにも役立つはずだ。

☆☆☆☆(☆四つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://moy.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-f3b5.html
http://go-out-at-noon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-31
http://luminox.blogzine.jp/luminox/2013/10/book_c06e.html
http://d.hatena.ne.jp/auditor28/20131001/1380601246
http://t-rakugakiki.seesaa.net/article/379857715.html







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