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会社の数が激減していく社会。 [opinion]

1/1の47newsより
パナ、社内情報部門を千人削減 富士通とIBMに転籍

 パナソニックが、社内情報システムの開発を手掛ける部門の社員約1500人のうち、3分の2に当たる約千人の削減を検討していることが1日、分かった。経営の合理化と人件費圧縮などが狙いで、7月1日に実施する予定。取引先の富士通と日本IBMに転籍させ、業務を委託する。

 子会社「パナソニックITソリューションズ」(大阪府門真市)を富士通に売却し、社内で分社化した「コーポレート情報システム」からも一部社員を転籍。富士通とIBMにそれぞれ500人程度を移す方向で調整している。


新年早々暗いニュースなのだが、考えさせられることは非常に多い。
システム子会社の売却・事業譲渡は珍しいものではなく、確かパナソニックと合併した三洋電機もやっていたはず。システム開発は繁閑の波ができやすい反面、日本の雇用関係では簡単に解雇することが出来ないので、自社だけを相手にするシステム部門はどうしても人が余りやすい。
(法改正や新システム導入に合わせて人を増やすと、増やした人がだぶつく場面が出てくる)

上記のシステム開発の特性と専門性(他部門への転用が難しい)を考えると、この流れは止まらないだろう。
システム開発をメインの業務として行っている会社は繁閑の波に合わせてある程度の配置転換が効くのためユーザ系子会社を買収するメリットがあるので、買収先が見つからないという事態もめったに発生しないはず。

でも、切り売りされるのはシステム開発部門だけで済むのだろうか?
どう考えても、そんな楽観的な見方はありえない。
その会社で稼ぎをたたき出している本業以外の部門はすべからく切り売りされる可能性がある。

例えば、社員教育については、会社独自文化の教育はOJTで補うと割りきってしまえば後は一般的な知識だけなので、専門企業や大学に任せるという判断は十分に成り立つだろう。
事業戦略の策定や広告宣伝はコンサルファームや広告代理店を使うことで既にアウトソーシングが進んでいる。

このように、突き詰めていけばすべての企業が単一機能化して、業界でトップクラスの能力を持つ数社に集約されていくのが大きな流れとなるのだろう。

また、その流れに伴い、転職・ヘッドハンティングがもっと当たり前に行われるような社会になる

例えば、冒頭のパナソニックの記事では、500人ほどは本社に残すとのこと。おそらく、企業のIT戦略を考える頭脳の部隊だけは残すのだろう。ここ数年はそれで回るのだろうが、10年~20年ほどするとどうなるかを考えてみよう。
現在の情報システム部門のトップクラスとその次の層が定年退職した時に備えて、500人規模の組織で新人を採用し、トップを担う人材を育成していくことは可能だろうか?
現実的に考えると、かなり難しいだろう。

もちろん、日系企業なので形式的なトップは自社出身の人をあてがい続けるかもしれない。だが、実際にシステムの戦略を考える人は外部のベンダ(富士通やIBM等)になるか、他社から中途で採用しないと組織が回って行かなくなる日がやってくるはずだ。
もちろん、これもシステム部門だけではなく、あらゆる部門に発生しうる。

こういうリスクシナリオを考えると、社会人はどんなキャリアを歓迎し、どんなキャリアを避けるべきかが見えてくるのではないだろうか。







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