防御力が上がるのが本書の一番のメリット:武器としての交渉思考 [自己啓発]
このエントリで取り上げた「武器としての決断思考 (星海社新書)」のシリーズ。
相変わらず簡単な内容なのだが、社会人にとっては当たり前すぎる内容だった前作よりも読み応えは有る。
【目次】
ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?
1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」
2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる
3時間目 「バトナ」は最強の武器
4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ
5時間目 「非合理的な人間」とどう向き合うか?
6時間目 自分自身の「宿題」をやろう
今回のテーマは「交渉」。前回のディベート思考は学生向けのやや初歩的な内容だったが、今回は社会人向けの初級コースでお金をとれるぐらいのレベルにはなっている。というか、本書と同じような内容を語る社会人向けの研修に会社で生かされたことが有る。
会社から派遣される研修は数万円かかることを考えると、本書のコストパフォーマンスは非常に高い。
そして、本書で語られる「交渉」はテクニックだけではなく、なぜ「交渉」が必要なのか?そもそも「交渉」するというのはどういうことなのか?と言った理念的なところから始まっている。
こうした基本理念や背景が語られていると理解が進むし、読んでいてワクワクしてくる。この辺りが京都大学で人気を誇る理由の一つなのだろう。
また、本書では特に、「合理的な交渉相手」の他に「非合理な交渉相手」に対する交渉が書かれているのもポイントが高い。世の中には自分のために交渉しない人も多く、非合理な交渉相手に当たることは決して珍しくない。実社会でもまれてそのあたりのことをよく知っている筆者だからこそ、こうした部分にも触れているのだろう。
本書に出てくる交渉のテクニック自体も有用だが、こちらは有名な内容なので、知っている人から見ると不誠実な交渉相手に映るので、その点には注意が必要だろう。
本書で学んだアンカリング効果を狙って最初に高めにふっかけると、慣れた相手には「この人は小手先のテクニックで利益を得ようとしている」と思われて逆効果を招くことも有る。本書では書かれていなかったが、相手のレベルを見てテクニックは使った方がいい。
全体的に高レベルの本書。大学生~社会人になって経験の浅い人には間違いなくお薦めできる。
☆☆☆☆(☆四つ)
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