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ミーハーコラム:日本史の謎は「地形」で解ける [歴史]


日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)

  • 作者: 竹村 公太郎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2013/10/03
  • メディア: 文庫



Chikirinさんが「個人資産100億円みたいな人のお金の使い方」なんてエントリを書いていた。
人によって使い方は異なるのだろうが、歴史上、東京の大金持ちがやってきたお金の使い方の一つとしては、広い土地を購入して緑地を後世に残す。というものが有る。

六義園・芦花公園・旧古河庭園……現代の東京に住む我々はこの恩恵に十分に預かっているのだ(鳩山会館なんかも将来的にはそういう扱いになっていくのかも)。
反対に、大阪は東京と対比すると余り緑地が残っておらず、緑の少ない都会になっている。

と、このように地形と歴史に関する筆者の考察がまとめられた本書。余り厳密な書き方をされておらず、学術的な内容というよりもコラム集といったほうがしっくり来る内容なので、スキマ時間にあまり気を入れずに読むような読み方ば向いている。
【目次】
関ヶ原勝利後、なぜ家康はすぐ江戸に戻ったか―巨大な敵とのもう一つの戦い
なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか―地形が示すその本当の理由
なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたか―日本史上最も狭く小さな首都
元寇が失敗に終わった本当の理由とは何か―日本の危機を救った「泥」の土地
半蔵門は本当に裏門だったのか―徳川幕府百年の復讐1
赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか―徳川幕府百年の復讐2
なぜ徳川幕府は吉良家を抹殺したか―徳川幕府百年の復讐3
四十七士はなぜ泉岳寺に埋葬されたか―徳川幕府百年の復讐4
なぜ家康は江戸入り直後に小名木川を造ったか―関東制圧作戦とアウトバーン
江戸100万人の飲み水をなぜ確保できたか―忘れられたダム「溜池」
なぜ吉原遊郭は移転したのか―ある江戸治水物語
実質的な最後の「征夷大将軍」は誰か―最後の“狩猟する人々”
なぜ江戸無血開戦が実現したか―船が形成した日本人の一体感
なぜ京都が都になったか―都市繁栄の絶対条件
日本文明を生んだ奈良は、なぜ衰退したか―交流軸と都市の盛衰
なぜ大阪には緑の空間が少ないか―権力者の町と庶民の町
脆弱な土地・福岡はなぜ巨大都市となったか
「二つの遷都」はなぜ行われたか―首都移転が避けられない時


上記目次を見てもらえればわかるように、各章は何の脈絡もなく並んでいる。
中身も、筆者が興味をもった内容を都度書いているだろうという内容で、このテーマを元にしっかりと書こうとして作られたというよりも、土木のバックボーンを持つ筆者が興味のある歴史的事実について自分で考えついた中身を書き連ねたという印象を受ける。

というわけで、学術的にはいまいちだと思うのだが、中身はそれなりに面白い。
筆者の興味が集中しているであろう江戸時代の出来事(忠臣蔵、吉原移転、江戸城の正門の話など)は時代小説で書き尽くされているであろう分野だからこそ、新たな目の付け所として見入ってしまう。

歴史に興味が無い人には全くオススメできない内容だが、歴史好きの人がちょっとした合間の時間に読む本としてはいい出来だと思う。

☆☆☆(☆三つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://blogs.yahoo.co.jp/tetsu_osa/64331936.html
http://takushi.blog.jp/archives/51988451.html
http://daradaradinks.at.webry.info/201404/article_1.html
http://blogs.yahoo.co.jp/evilcutter/16298655.html
http://shinshin4145.blog.fc2.com/blog-entry-1072.html
http://stonewell.blog.so-net.ne.jp/2013-12-30-1






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