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日本観光の底力:英国一家、日本を食べる [エッセイ他]


英国一家、日本を食べる(亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)

英国一家、日本を食べる(亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)

  • 作者: マイケル・ブース
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2013/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



元料理人でも有る英国人のフードジャーナリストが、3ヶ月間日本で食べ歩きをした記録。
日本人でも食べた人のほうが少ないような高級料亭から、お好み焼き・焼き鳥といった庶民の食べ物まで日本食の多くのジャンルが網羅されている。

日本人なら当間と思っている食べ物と、日本人でも食べたことがないような食べ物。その両方がバランスよく紹介されているのが本書の面白みだ。

【目次】
トシがくれた一冊の本―パリ
新宿・思い出横丁―東京1
相撲サイズになる料理―東京2
世界的な有名番組―東京3
特上級の天ぷら―東京4
ふたつの調理師学校の話
歌舞伎町のクジラ―東京5
カニとラーメン―北海道1
海藻のキング―北海道2
町家に泊まる―京都1(ほか)


本書は英国人一家が東京・北海道・京都・大阪・沖縄を3ヶ月間で巡って、日本の料理を食べつくす企画。
日本人にとってはアタリマエのことでも、外国人からしてみれば新鮮に感じられることも多く、そのギャップが面白い。

例えば、デパ地下のグルメ。日本人にとってはごくごく見慣れたものだし、値引きセール中のデパ地下で美味しそうなものを見繕って買って帰ることは珍しくもなんともない。だが、筆者からするとある種のイベントのように感じられており、そのクオリティは十分に観光の資源となりうることが垣間見える。

その他にも、大阪の串カツ屋で庶民の味を堪能して満腹になるまで飲み食いした話や、成田空港から直行した新宿の焼き鳥屋で食べた焼き鳥が子どもにとって大ヒットだったことなど、日本人のありふれた食生活が外国人の目から見てどう見えるかがわかって非常に面白い。

逆に、日本人でもなかなか味わうことのできない相撲部屋で食べるちゃんこ鍋や、紹介がないと入ることのできない高級料亭での食事等、日本人が知らない日本食について語られている部分がある。
それらの料理は私も知らないだけに新たな感動を持って読み進めることができた。

所謂グルメ本とは一味違うグルメ旅行記。
筆者が元プロの料理人であることもあり、高いレベルでまとまっていて非常に楽しく一気に読みきってしまった。

最後に余談になるが、「英国一家」の本なのに、本書はパリから始まっている。やっぱり英国の料理は……なのだろうか?

☆☆☆☆☆(☆5つ。満点)

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