良いテーマだけに物足りない:迷惑行為はなぜなくならないのか? 「迷惑学」から見た日本社会 [社会]
迷惑行為はなぜなくならないのか? 「迷惑学」から見た日本社会 (光文社新書)
- 作者: 北折 充隆
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/10/17
- メディア: 新書
迷惑行為について研究した一冊。
迷惑行為の類型、迷惑行為によって世の中が動く事例、迷惑行為の禁止法類型とその効果に対する実験……。
どれも非常に興味を惹かれる内容で、実際役に立つことも多いと思うのだが、物足りなさも残る内容になっている。
【目次】
プロローグ そもそも迷惑行為とは?
第1章 なぜ、夜の幹線道路は誰も制限速度を守らないのか?
――「記述的規範」と「習慣」の影響力
第2章 電車内では携帯電話の電源を切るべきか?
――迷惑行為と、場所・時代との関係
第3章 なぜツイッター騒動は繰り返されるのか?
――ルールと迷惑の微妙な関係
第4章 どうすれば列の横入りをやめさせられるのか?
――迷惑行為の抑止策
第5章 ベビーカー問題はどうしたら解決できるのか?
――クリティカル・シンキングで考える「落としどころ」
本書は教育学者が迷惑行為について研究した内容を新書の形式にしたもの。
迷惑行為に関する定義・分類からその解決法までが、簡単な実験結果などとともに解説されており、非常に興味深い内容だ。
そういった非常に興味深い良いテーマを扱っており、クオリティも問題ないのだが、読んでいるとやや物足りなさが残る。それが私の感想だ。
物足りなさの残った理由を考えると、本書で取り上げられているのが教科書的なきれいなテーマが中心であるということ。例えば、あえて迷惑行為を実施した上で周囲の反応を探る実験とか、迷惑行為に注意したところの周囲の反応とか、イレギュラーだけど面白いテーマについて1つ2つ触れられているとより面白さがアップしたと思う。
とはいえ、基本的なところでは不満のない本書。
タイトルで惹かれたなら(安い新書だし)読んでみても悪く無いと思う。
☆☆☆(☆三つ)
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