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韓国『とは』分かり合えない……:朝鮮半島201Z年 [社会]


朝鮮半島201Z年

朝鮮半島201Z年

  • 作者: 鈴置 高史
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2010/11/30
  • メディア: 単行本



2010年に書かれた、近未来を舞台にした東アジアの政治フィクション。

あとがきにも有るように、筆者はノンフィクションを書こうとして結局フィクションの形に落ち着いたという作品なので、筆者の思い描く東アジアの将来像が非常にはっきりと出ている。
そして、2014年の現在から見ると、当時の筆者の予測はかなり当たっているといえる。

【目次】
プロローグ--2005年、人民日報消滅事件
I 201W年
II 201X年
III 201Y年
IV 201Z年
朝鮮半島が中国圏に戻る日--あとがきに代えて


筆者の東アジア未来予測の基本線は、韓国が中国に取り込まれていく。と言うもの。
東アジアのメインプレイヤーは米国・中国・日本・韓国・北朝鮮。
他にも東アジアにはロシアと台湾という国があるけど、筆者はその二国は重視していない。

上記メインプレイヤーの陣立ては、冷戦時代は中国・北朝鮮・(ロシア)対米国・日本・韓国・(台湾)だったのが、今後は中国・韓国対米国・日本となるであろうと予測している。
韓国は当初米国・中国の間で等距離外交を行うような行動に出るのだが、結局は中国の傘下に入っていく。2014年の現在から考えると当たり前の予測だが、2010年にこの予測を出せているのは素晴らしい。

また、中国・韓国対米国・日本の構図になった時に、残されたプレイヤーである北朝鮮はどう動くのか
北朝鮮のあり方は筆者が含みをもたせている部分でもあり、フィクションとしての面白さを醸し出している部分でも有る。この国に対するスタンスについては、本書を読んで考えてみて欲しい。政治的には難しいのだが、論理的に考えると日米が北朝鮮に対して取りうるオプションは数多く存在することがわかる。
(逆に、韓国の北朝鮮に対する選択肢はほとんど残っていない)

この次のエントリで書く予定の「中国に立ち向かう日本、つき従う韓国」は2013年に出版された東アジア情勢のノンフィクションなのだが、本書のスタンスを下敷きにして作られた内容になっている。
2年後のノンフィクションで下敷きに出来るほどよくできたフィクション。本書は小説としても、国際情勢分析としても良く出来た一冊だと言えるだろう。

☆☆☆☆★(☆4つ半)

他のBlogの反応はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/santosh/20110827/1314420153
http://d.hatena.ne.jp/mailonesgh/20130310/1362889336
http://dosankoshio2.seesaa.net/article/392295205.html
http://blogs.yahoo.co.jp/marugon4444/62745786.html
http://ziguzaguneko.blog135.fc2.com/blog-entry-1061.html






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