韓国は中国の一部になる?:中国に立ち向かう日本、つき従う韓国 [社会]
前著「朝鮮半島201Z年」と同じく、韓国を通じて中国を見るというのが基本コンセプト。
韓国自身の分析も入っているが、韓国を見れば見るほど、中国の影響から逃げられないことがよく分かる内容になっている。
【目次】
プロローグ 中国の空母が済州島に寄稿する日
第1章 「中国」ににじり寄る「韓国」の本音
米国に捨てられてきた韓国の覚悟
中国から“体育館の裏"に呼び出された韓国
「日本と軍事協定を結ぶな」と中国に脅された韓国
「尖閣で中国完勝」と読んだ韓国の誤算
【対談】漂流する韓国を木村幹・神戸大学大学院教授と読み解く
第2章 「日本」を見下す「韓国」の誤算
「7番目の強国」と胸を張る韓国のアキレス腱
「日本病に罹った」とついに認めた韓国
【対談】『老いていゆくアジア』の大泉啓一郎氏に聞く
【対談】真田幸光・愛知淑徳大学教授と「金融」から読み解く
第3章 「米国」と離れる「韓国」の勝算
韓国、「ミサイルの足かせを外せ」と米国に刃向かう
「明清交代」を受け入れる韓国人
中国包囲網目指し、米朝が野合する日
【対談】池上彰さんと語る朝鮮半島、そしてアジア
第4章 『妖怪大陸』を見つめる日本の眼
韓国は中国の「核のワナ」にはまるのか
【対談】「反日国家に工場を出すな」と主張し続けた伊藤澄夫社長に聞く
エピローグ 結局は「中国とどう向き合うか」だ
本書を貫く基本路線は韓国が米国から離れて中国に近寄っていくというもの。
韓国の考え方としては、米国の没落と中国の覇権確立に賭けている。と言うか、それを確信している。それが韓国の基本スタンスだ。
といっても、米国に正面切って手切れを通告することはもちろんできない。
そこで、韓国は日本をだしに使って、慰安婦問題が……とか、戦後の反省が……などと言って日米陣営からの自然な離脱を狙っているのだ。
韓国のこのギャンブルが成功するかどうかは誰にもわかない。だが、韓国の国民全体が米国よりも中国が勝つという雰囲気になってしまっている以上、それ以外の道は取ることができない。
翻って我が日本では全く逆の方向に動いている。
日本の世論は中国の傘下に入ることを基本的には良しとしない。必然的に、力を伸ばしていく中国と対決するために米国とより結びつきを強めていくことになる。
集団的自衛権で米国との協力体制を強化したり、朝日新聞が慰安婦問題で報告転換を模索している(ようにも見える)ことなどもその一連の流れだろう。
当然、日米vs中韓という図式は避けられないものになっていく。
その一つ一つの流れを検証しているのが本書なのだ。
韓国自体の分析も有るには有るのだが、それよりもメインは中国。
韓国を通じて中国を分析するという筆者のアプローチは説得力があるし、見ていて面白い。
できれば佐藤優と対談して、ロシアを含めた東アジア情勢の展望を語ってもらいたいものだ。
☆☆☆☆☆(☆5つ。満点)
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