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腐った組織から逃げる前に:増補改訂版 V字回復の経営―2年で会社を変えられますか [自己啓発]


増補改訂版 V字回復の経営―2年で会社を変えられますか

増補改訂版 V字回復の経営―2年で会社を変えられますか

  • 作者: 三枝 匡
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2013/06/26
  • メディア: 単行本



このエントリで紹介した「戦略プロフェッショナル」のシリーズ。
こちらは企業再生をテーマにした内容で、ストーリーとしてはこちらのほうが面白い
【目次】
プロローグ 不振事業をいかに蘇らせるか

第1章 見せかけの再建
 再び業績悪化
 不発だった改革
 若手ミドルのぼやき
 日陰にいた切り札

・三枝匡の経営ノート1 自然死的衰退への緩慢なプロセス
 日本企業に改革者はいるのか
 辺境で育った軍鶏

第2章 組織の中で何が起きているか
 出席者の多い会議
 管理者たちのすくみ合い
 競合他社の話はどこへ
 真の赤字要因を追わず
 多すぎるプロジェクト
 戦略不在が招く不信感
 被害者意識の営業マン
 はびこる組織官僚
 葬り去られた変革型人材
 組織全体を貫くストーリーの欠如

・三枝匡の経営ノート2 改革の推進者と抵抗者のパターン
 改革先導者
 改革追随者
 改革抵抗者
 人事更迭者
 傍観者(外野席)

第3章 改革の糸口となるコンセプトを探す
 埋もれていた人材
 なんでもあり
 強烈な反省論
 五〇〇枚のカード
 コンセプトの必要性
 深夜の孤独
 〔改革のコンセプト1〕事業の原点
 なぜ米国企業は蘇ったか
 一気通貫の組織効果
 一網打尽の解決
 肥大化した機能別組織の欠陥
 シナリオを描く
 〔改革のコンセプト2〕戦略の連鎖
 各部署固有の問題
 〔改革のコンセプト3〕事業変革の原動力
 危険な吊り橋

・三枝匡の経営ノート3 「経営の創造性」に負けた日本
 米国による「日本解体新書」作り
 日本に学ぶ
 読み取られてしまった日本
 日本の経営者は何を創出したか
 知的創造性の完敗

第4章 組織全体を貫くストーリーをどう組み立てるか
 組織のスピード感応性
 漂う孤独感
 本当につぶれるなんて思っていない
 改革者をどう守るか
 トップの関与
 改革を本物と思わせる事件
 修羅場の教育効果
 知られざる赤字
 杜撰な現場経営
 撤退か改革か
 分社化のシナリオ
 シナジーという幻想
 ヒエラルキーを崩す
 事業の「絞りと集中」
 営業活動の「絞りと集中」
 攻めの人員削減/トップの共感

・三枝匡の経営ノート4 改革シナリオの説得性
 改革作業の時間軸
 二つの心理環境
 改革シナリオの仕掛け

第5章 熱き心で皆を巻き込む
 淡々たる退場者
 過激派の出現か
 拗ねと甘え
 すべて他人事だった
 気骨の人事
 壟断
 覚悟の連鎖
 旧組織の崩壊
 史上最大の落ち込み

・三枝匡の経営ノート5 改革・九つのステップ
 期待のシナリオ
 成り行きのシナリオ
 切迫感
 原因分析
 シナリオ作り
 決断
 現場への落とし込み
 実行
 成果の認知

第6章 愚直かつ執拗に実行する
 覚悟のスタート
 組織のスピード化
 顧客への接近
 驚きの変化
 新しい「販売ストーリー」
 具体的仕掛けの埋め込み
 単月黒字化の大騒ぎ
 内部の競争
 黒字達成!
 次の一手
 魂の伝授

エピローグ 事業変革の成功要因


本書のストーリーは不信の事業部に事業部長として乗り込んできた主人公(=筆者)が様々な抵抗に会いつつも、その事業を立て直すというもの。

本書が特に力を入れているのは「人」に関する部分
日本のダメ企業・ダメ事業部にも優れた人材は必ず隠れている。だが、それを上回る影響力を持った事業の足を引っ張る人が存在しているのが現状だ。
そのため、事業の足を引っ張る人を排除して、優秀な人材を引っ張り上げることが事業再生にとっては不可欠となる。日本企業では「排除」が甘いため、不振事業の体質改善がうまくいかないことが多いのだ。

不振事業の立て直しにどのような人材が必要なのか?
企業を腐らせていくのはどんな人材なのか?
そして、企業を腐らせる人にはどう対処すればいいのか?
これらが具体的にわかるので、初めて事業に責任をもつことになった人が理論と実戦の間を埋めるためにも役立つ内容になっている。

悲しいかな、この20年ぐらいの間は景気のいい日本企業よりも景気の悪い日本企業の方が多い。
また、不況が長引くに連れて、チャレンジャーよりも保守派のほうが減点主義で出世するようになってしまっている。そんな背景もあって、本書が当てはまる企業が増えていることは用意に想像できる。

そんな停滞した会社・事業部に配属されてしまった若手は閉塞感で途方に暮れてしまう。
転職はそこから逃げ出すための自然な解だが、その場にとどまって頑張る決断をしたならば、本書を横においておくといいだろう。必ず力になるはずだ。

☆☆☆☆☆(☆5つ。満点!)

他のBlogの反応はこちら。
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