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人口減少下の東京はどうなるのか? [opinion]

一つ前のエントリでとある本に駄目だししたんだけど、
言いっぱなしもなんなので、人口減少下による東京の不動産のありかたについて、
いくつかのシナリオを考えてみた。

【前提】
東京の国際的地位は、今よりも下がるかも知れないが、アジア有数の都市で在り続けると仮定する。

これから人口が減少して政治的にも年寄りの割合が多くなる中で日本全体が沈没していくことは十分にありえるが、そうした未来はここでは考えないものとする。

【データ】
日本の人口は減少する。2030年頃までは微減を続け、そこから加速度的に人口が経ていく予想だ。
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/gh2401.pdf
東京の人口も2020年をピークに減少に転じる。
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/kyosoku/ky12rf0000.pdf
東京都区部は2035年においても2010年並みの人口を保ち続けることが出来る。が、そこから先は日本全国と同じように加速度的に人口が減っていくのだろう。

では、そんななんかで、東京の不動産はどうなるのだろうか?いくつかのシナリオを考えてみた。

【人口減少の未来】
日本の人口が減少するに伴って、東京の人口も等しく減少するパターン
①まだら模様の空き地が点在
現在の無策が続いたケース。都心も市部も同じように空き地・空き家が発生する。
複数人に相続されることで、権利者が誰かもわからなくなり、
利用する人もいなくなり、売却・撤去するにしても管理者がわからないため、手のつけようがない空き家がいたるところに点在する未来。

現在進行形の問題では有るのだが、既に問題が顕在化していることが幸いして、近いうちに何らかの対策が取られると思うから、このシナリオ実現の可能性は低いと考えている。
赤坂とか麻布の一等地のマンションに誰も利用しない空室が存在する未来はちょっと考えにくい。

②都心集中
人口が減ったことにより、山手線の内側に人口が集中する未来。
一人あたりの専有面積は増えないが、通勤時間は短くなる。
山手線から外に伸びる私鉄(小田急・京王・西武など)は経営危機になり、中央線・埼京線・京浜東北線など現在過密で知られるJRは赤字路線になる。

私鉄を始め東京外周部の道路など、無駄になるインフラが数多く出てくる反面、コンパクトシティとして行政・商売上のの効率は非常に向上している未来。
今の技術を前提に考えると、一番効率的なのでこの路線を目指すのは理にかなっている。

このシナリオの場合、都心部の地価は維持されることになるのだが、不動産関係者にはこのシナリオを前提に「都心を買え」といっている人が多い印象だ。

③駅近集中
山手線・メトロだけでなく、私鉄も含めた駅から10分以内の地域に人が集中する未来。
一人あたりの専有面積は広がり人々は電車を中心に移動する。

現在の技術をメインに考えると、②に比べて効率が落ちる。そもそも、人口が減少する中でどの程度鉄道の運行を保証できるのか?という問題も残る。
このシナリオが実現するには、自動運転など鉄道におけるイノベーションが必須になるだろう。

このシナリオの場合は、東京都市部でもいいから、駅から近い地域の不動産なら価値が保たれる事になる。

④道路の時代がやってくる。
鉄道ではなく、自動車にイノベーションが起こった未来。
自動運転の技術が一般化し、渋滞は一掃。小学生でも高齢者でも自家用車で移動できるようになる。

このシナリオの場合、道路が発達していることが最大のアドバンテージなので、都心よりも郊外に住居を構えるほうが有利となる。東京ではなく、もっと道路の発達した地方都市が経済の中心になっているかもしれない。

このシナリオが実現したら、現在価値を持っている不動産は鉄道優位性がメインなので、その多くは価値を失ってしまうだろう。

【人口増加の未来】
日本の人口が減少していくのは間違いないが、自然減以上に東京に人口が集中して、東京は今以上の人口になっていることも僅かではあるが考えられる。
例えば、宮城県でコンパクトシティ化を進めようとした時、仙台市に人口を集めることが出来るのだろうか?
どうせ住み慣れた町を離れるなら東京に出ようとする人も一定程度発生するのではないだろうか?
それが日本全国で起こったら……。

このシナリオは日本全国の不動産が暴落する中、東京だけは今以上の価値を持つことになる。


と、色々なシナリオを考えつくのだが、どれが当たるかは予想がつきづらい。
ただ、人口減少下で大きな借金を持つ日本が大規模な投資を行うことは難しいはずなので、都心にかぎらずとも、現時点でインフラの整っている地域の優位性は逆転しづらいと考える。
だとするなら、都心部の不動産価値は経年分を除いてほとんど下がらず、近郊でも駅や道路の便利が良い場所は比較的価値を保ち続けるというのが、一番ありそうな想定だと思う。
不動産を買うために10年待っても対して値段が下がらなかった。っていうのは意外とありそうな線じゃなかろうか。






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