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IKEAよりニトリのほうが高品質と思ってる人は必読:クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道 [社会]


クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道

クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道

  • 作者: 大前研一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/01/15
  • メディア: 単行本




 トヨタ自動車は11月18日、世界初となる量産化FCV(燃料電池自動車)「MIRAI」を12月15日に発売すると発表しました。(中略)
 10年前は「1台1億円」ともいわれた燃料電池車ですが、今回発売が発表されたMIRAIの販売価格は723万6000(消費税込み)。プラチナを使う燃料電池の製造にコストがかかるため、リーズナブルな金額とはいえません。しかし、経済産業省から202万円の購入補助金が支給されるので、実際の負担額は約520万円 になります。これは、トヨタの高級車「クラウン」と同等価格です。

こんなニュースが出ていたが、これを見る限り、本書で大前研一が主張する「クオリティ国家」は程遠いことがよく分かる。

【目次】
序章 「中途半端な国」になってしまった日本
第1章 世界の変化―世界で台頭する新たな国家モデル
第2章 実例研究1―クオリティ国家の代表格、スイスを現地視察
第3章 実例研究2―「事業戦略型国家」シンガポールの工夫
第4章 実例研究3―日本が学ぶべきクオリティ国家のしたたかさ
第5章 進むべき道―日本新生への新たなビジョン「クオリティ国家」戦略


本書で筆者が主張するのは、スイス・シンガポール・北欧諸国・ベネルクス三国・韓国といった、規模は小さいけれども世界市場での競争力が高く、国民を高所得という形で幸せにしている国々を日本も目指すべき。という主張。

従来の加工貿易立国モデルが崩壊して、高品質(だけど、驚きのない)の製造業だけで稼いでいけないことは日本人なら政治家以外は誰もが理解している。
ただ、その路線から脱却して何で稼いでいくのか?という答えを見つけ出すことができなくて苦労しているというのが現状だ。

その現状に対して、大前研一が提示するクオリティ国家という解は非常に明確だし、その解に向かって進んでいく道筋もはっきりと示されている。

ただ、クオリティ国家に必要な世界で求められる高付加価値の製品を提供するという目標に対して、現状は程遠いところにいる。
例えば、冒頭に出したトヨタの燃料電池自動車。
エコにはいいし、技術的にも価格的にもかなり頑張ったんだろうけど、プリウスみたいな小さめのセダンタイプで、大富豪には見向きもされないだろうし、一般層には高すぎる非常に中途半端な商品になってしまっている。

電気自動車ではテスラにやられた教訓を活かして、価格は10倍でもいいから富裕層を惹きつける製品を作れば燃料電池車へのあこがれを一気に換気することができたのに……。
世界で非常にうまく戦っているトヨタですら、ブランド戦略の面ではまだまだということがわかって、ワクワクするけど残念なニュースになってしまっている。

このように日本の現状からは程遠いところにある「クオリティ国家」。
政治家や現在の大企業主導では決して実現できないのかもしれないが、日本人がこれからの世の中を生きていく上で一つのモデルになることは間違いない。
次にエントリを書く予定の「稼ぐ力 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方」と合わせて、日本人が将来を考える上での強力な指針になるはずだ。

☆☆☆☆★(☆4つ半)

他のBlogの反応はこちら。
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