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左翼からも相手にされない労働組合って……:労働貴族 [社会]


労働貴族

労働貴族

  • 作者: 深笛義也
  • 出版社/メーカー: 鹿砦社
  • 発売日: 2013/06/24
  • メディア: 単行本



急進的な左派から労働組合に対しての批判を綴った一冊。
左派からは労働者のために役に立っていないと批判され、右派からは起業の成長の足を引っ張っていると批判される労働組合の存在意義は一体何なのだろうか……
【目次】
第一章 日本最大労組「連合」は、企業のために働く労働貴族集団
第二章 電力総連に強いられて「原発推進」に鞍替えした「自治労」
第三章 電力会社労組は、原発の安全神話を社会に行き渡らせる血脈
第四章 プラントメーカー労組の足下で、「脱原発」は圧殺されている
第五章 大阪中電マッセンストライキは、どのように受け継がれているか
第六章 スト権もない産経労組に対して、結成された新たな労組
第七章 トヨタ帝国の暗部をえぐりだす、新たに誕生した新組合
労働組合再編史
関連年表


本書は急進的な左派から労働組合への批判本。
内容はビジネスマンである私には全く賛同できないものだが、左派はこう考えるという違った考え方に触れられる意義は有る。

例えば、筆者は労働組合が原発反対を打ち出さないことに対して強い批判を行っている。
私の考えでは、労働組合として組合員の給与を上げるためには「安い電力による利益の確保」が必要な業界の方が多いはずだから組合の主流派が原発推進になるのは自然に見えるのだが、左派からするとその考えは理解できないらしい。

このように、個々の主張には納得ができないのだが、左派から見ても現在の労働組合が納得行くものではないことが非常によく分かる。
政治の世界で自民党・共産党が勢力を伸ばす中で埋没してしまった民主党と同じ構造が労働組合の世界でも起こっていることが、本書を見ていると理解できるのだ。
10年ぐらいのスパンで見ると労働組合も再編されて、非正規労働者を中心とした急進的左派の組合と、幹部候補生を中心とした御用組合にキレイに二分されているのかもしれない。

左翼活動に馴染みのない人にとっては、全く異質の人が語る意見なので、納得は行かないが理解は出来るという内容になっている。

☆☆☆(☆三つ)







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