お金のためだけに住む場所を選べるのなら……：2018年までのマンション戦略バイブル

2018年までのマンション戦略バイブル

• 作者: 沖 有人
• 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
• 発売日: 2015/01/20
• メディア: 単行本

いつもの筆者の主張が改めて行われている。
ただひとつアップデートされているのは、今は新築の買いどきではない。
とはっきりというようになった所だ。

【目次】
第1章 住まいの常識を変える7つのメガトレンド
●デフレからインフレで変わる不動産市場
●人口減少時代の不動産戦略
●相続対策は国民的特需
●資金のグローバル化は既に現実に
●都心不動産の評価方法が変わった
~他~

第2章 人口減少時代の自宅の選び方
●値下がり必至の郊外の地価
●世帯構成は平均2人になる
●「戸建てよりマンション」が正しい戦略
●家は借りるより所有すべし
●一生の買い物ではなく、家族構成に応じて買い替えるべし
~他~

第3章 自宅投資としての不動産の買い方・売り方
●自宅投資の考え方
●いつでもアンダーバリュー商品を探すべし
●一瞬の市場の揺れを見逃さない
●価格・金利・税制に敏感になるべし
●立地は妥協せず選ぶべし
~他~

第4章 人口減少時代の不動産投資の基本
●儲かる基本構造は税制と金利との戦い
●不動産投資3つの儲けのパターン
●不動産投資は所得税との闘い
●キャッシュフローを頭に叩き込む
●賃料はこれだけ下がる
~他~

第5章 180度変える自己投資物件の選び方
●儲かる物件7つの法則
●物件を見ないで選ぶ投資家たち
●なぜ築10年以上の物件を買ってはいけないのか
●自宅投資の物件価格は1億円まで
●震災リスクをコントロールせよ
~他~

第6章 東京に投資する理由
●異次元緩和が起こす異次元価格は非常に高い
●地価は人口密度に比例する
●東京への流入人口は2年前にわかる
●大震災で変わった人の動き
●富裕高齢者の都市回帰
~他~

第7章 相続対策としてのマンション活用法
●資産家の相続対策としてのタワーマンション節税
●タワーマンション節税の対象層
●タワーマンション節税のキャッシュフロー
●法人を使った資産移転の方法
●法人が収益不動産を購入する3大メリット
~他~

第8章 2018年までの資産の組み替え戦略
●自宅買い替えにおける問題点
●崩れてきた10年スパン
●不動産担保主義の問題
●会社員はやめてはいけない
●買い替えではタイムラグを最大限使う
~他~

巻末付録―首都圏511駅 駅別相場価格

本書でも筆者の主張の基本線は今までと同じ。
不動産を資産とみなして、次々に「お得」な物件を買い換えていくことを推奨している。
そして、「お得」な不動産を探すための方法を指南している。

ここまでなら、既に筆者の本を読んだことがある人なら改めて読む必要がない。
本書の新規性は、筆者が現在の相場と今後の見通しについて書いた部分だ。

筆者の見通しだと、２０１５年に不動産価格は天井を付け、その後数年は高値が維持される。
というものだ。
そのため、今は新築不動産に手を出すのは厳禁で、中古物件すら割に合わなくなってきている。というのが筆者の主張だ。

直近のピークがいつかはともかく、五輪開催までの数年間土地が高止まりするという予測は一般的なものなので、当たるかどうかはともかくとして驚くべき内容ではない。
が、不動産の売り手側である筆者でも長期的には弱気の姿勢であることはややびっくりした。

で、本書に書かれている内容が有益かどうかというと、不動産の価値というものを考える上では間違いなく有益。
だが、普通の人には本書に書かれていることを真似ることはムリだろう。
●マンションは大規模修繕にかかる前の６年～８年で売って買い換える。
⇒コミュニティとのつながりが希薄になるよね？子どもがいたら転校？
●ここ数年（明示されてないけど４年～５年ぐらい？）は買いどきじゃない？
⇒５年後に買うことは出来るの？年齢や家族構成によってはムリなのでは・・・

筆者の言うとおりにすれば、お金が儲かる確率は高い。サラリーマンぐらいの原資でも１千万～３千万ぐらいは２０年で儲けることができそう。
でも、それで得たお金と、それを得るために享受した不便をトータルで考えた時に本当にお得かどうかは人それぞれだろう。

内容は間違っていないので、筆者の本が初めてなら読んでみても損はない。

☆☆☆☆（☆四つ）

他のBlogの反応はこちら。
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