売春婦の自己弁護にしか見えないよ……:職業は売春婦 [社会]
売春合法化論者の書いた思想集のような本。
言いたいことはすごくよくわかるし、警察が犯罪者呼ばわりするせいでセックスワーカーの権利が害されているという主張など、所々に光るものはあるんだけど、権利意識の主張が強すぎて非常に読みにくい。
権利主張とか言葉使いへのこだわりの部分を削れば半分以下に圧縮できるんじゃないかな?
【目次】
第1章 警察
第2章 売春婦
第3章 仕事
第4章 討論会
第5章 性産業
第6章 のぞき穴
第7章 汚名
第8章 ほかの女性
第9章 救済者
第10章 権利運動
本書はセックスワーカーの権利を訴え、売春を合法化するべきだと主張する。
経済学界隈では珍しくない主張だし、書き方によっては非常に面白くなりそうなんだけど、本書はあまり得るものがあったという読後感ではないし、読むのも苦痛。
筆者の一般人には通じにくいこだわりが多すぎるのだ。
ゴリゴリのフェミニストが書いた文章に通じるものがあるといえばわかってもらえるだろうか……。
はっきり言ってしまえば面白く無いのだ。
テーマそのものは悪くないし、経験者だからこそ書ける内容というのも数多くあるはずの分野。
公共政策的アプローチでも、経済的アプローチでも、フィールドワーク中心のレポートでも面白くできるはずの素材を細かなこだわりで台無しにしてしまっている。
なんというか、非常にもったいない仕上がりだ
☆☆(☆2つ)
タグ:メリッサ・ジラ・グラント ☆☆
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